読むべき本、見逃していない?

「カラダにいい」と少し割高になるのには理由がある

  • 書名 東京カラダにいい店うまい店
  • 監修・編集・著者名文藝春秋Number Do編集部 編
  • 出版社名文藝春秋
  • 出版年月日2019年6月 7日
  • 定価本体1600円+税
  • 判型・ページ数四六判・223ページ
  • ISBN9784163910291

 グルメブームが続いて、ありとあらゆるレストランガイド本があふれている。本書『東京カラダにいい店うまい店』(文藝春秋)は、その中でも「カラダにいい」という切り口で都内の100軒をピックアップしたところが新しい。スポーツ雑誌Number別冊、『Number Do』の人気連載企画をもとに追加取材分を加えて再編集したもの。

自然栽培米の寿司も

 ぱらぱらとめくってみたが、残念ながら評者が聞いたことがある名前の店はほとんどない。行ったことがある店はゼロ。つまり、「カラダにいい」ことを気にせずに食生活をしているということを反省した。選定基準は特に記されていないが、グルメ通の知人に見せたら、ネットで高評価の店が目につくとのこと。全体は6章に分かれている。

 ・第1章 和食...天ぷらや寿司などの定番から、焼きそば、お好み焼き、居酒屋メニューまで。
 ・第2章 洋食...ビーガンやベジタリアン、流行りの低糖質メニューも網羅。
 ・第3章 中華...漢方、薬膳、発酵。会食などにも活用できるお店を厳選。
 ・第4章 韓国&焼肉...韓国の2大スープがうまい店と、牛肉、豚肉、羊肉。
 ・第5章 エスニック...各国スパイス料理と、ビーガン・ベジタリアンメニュー。
 ・第6章 スイーツ&ジュース...美容にもいいスイーツとジュース。

 少し真剣に読んでみると、いろいろと発見があった。まずトップに登場する「キッチン わたりがらす」(恵比寿)。添加物、化学調味料、冷凍食品などは一切使わない。ハムやケチャップも自家製。ずいぶん手が込んでいる。野菜や米は無農薬、塩や砂糖も産地にこだわっている。

 寿司店も登場する。「ささしぐれ 表参道ヒルズ店」は使っているコメが特殊だ。「奇跡の米・ササシグレ」。農薬はもちろん肥料、除草剤などを一切使わない自然栽培米だ。一度は絶滅しかけたが復活させた。血糖値が上がりにくいのだという。

 もう少し手軽な店を希望する人向けには「亀戸升本 伊勢丹新宿本店」がある。「和正食」と名づけられた弁当は肉、魚、卵、乳、白砂糖を使わない玄米菜食がベースになっている。見た目は鮮やかだ。

流行の最先端

 東洋にはもともと「医食同源」という考えがあり、薬膳料理の伝統もある。加えて近年のヘルシー重視で東京にはグルテンフリー、低糖質、ビーガン、無農薬、オーガニックなど、さまざまな定義の「カラダにいい」メニューを扱うレストランやカフェが急増しているそうだ。もはや美味しいのは当たり前。それに加えて「カラダにいい」こそ食の最先端、というのが本書のコンセプトになっている。

 もちろん素材づくりに手間とコストがかかっているから、お値段はそれなりのところが多い。いちばん安い渋谷ヒカリエシンクス店の「寝かせ玄米と日本のいいもの いろは」のおむすびも、コンビニよりは、ほんの少し高いようだ。

 ところで最近、評者は田舎でコメ作りや狩猟をやっている人から話を聞く機会があった。機械化されているのでコメ作りは簡単というイメージがあるが、棚田でやると、20代、30代の男性でも泥かきなど死ぬ思いだそうだ。農薬を使わないと、頻繁な除草などでさらに重労働になるい違いない。

 狩猟はもっと大変だという。鉄砲撃ちやワナの技術を習得する必要があるし、日の出前から川岸に腹ばいになって息を殺してカモの動きを追ったり、山野を駆け巡ったりの体力勝負。仕留めた後の捌きや保管も簡単ではない。野生のものを本物の「ジビエ」商品として売り出そうとしたら、労力を考えると、とてつもない値段になってしまうとのこと。

 そんな話を聞いて、「カラダにいい」ものは少々高くても当然だなと、改めて思った次第。素材の仕入れにカネがかかるのだ。タイなども本当の天然ものと、養殖ではお値段に大差があると聞いたことがある。

 本欄では『一汁三菜で毎日低糖質ごはん』(宝島社)、『うつ消しごはん―タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!』(方丈社)なども紹介している。

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