読むべき本、見逃していない?

サラリーマンは究極の不労所得者

  • 書名 “投資”に踏み出せない人のための「不労所得」入門
  • 監修・編集・著者名加谷珪一 著
  • 出版社名イースト・プレス
  • 出版年月日2019年7月12日
  • 定価本体1500円+税
  • 判型・ページ数四六判・207ページ
  • ISBN9784781618029

 「老後2000万円」問題が浮上し、自分の老後はどうなるのだろうか? と不安に思っている人も多いだろう。本書『"投資"に踏み出せない人のための「不労所得」入門』(イースト・プレス)は、これからは会社で働きながら、副収入を手に入れようと自衛を呼びかける本だ。

1億円があれば......

 ブログやネットフリマなど流行の副業から株式、不動産など昔からある投資手法まで、「不労所得」を得る方法を網羅的に解説した入門書だ。

 著者の加谷珪一さんは、『億万長者への道は経済学に書いてある』(クロスメディア・パブリッシング)、『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)などの著書がある経済評論家。1993年東北大学工学部を卒業、日経BP社に記者として入社。その後野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務をしている。億単位の資産を持つ個人投資家でもある。

 不労所得とは、労働をしなくても毎年、一定の金額を稼ぎ出せる仕組みのことを意味する。1億円のお金があれば、安全な債券などの運用でも、年間300万円ほどの運用益を得られるという。まさに究極の不労所得だが、何らかの妥協ができれば、もう少し簡単に不労所得を得られる、と説明する。その条件は以下の3点だ。

 ① 多少の労働は行う
 ② ある程度のリスクを取る
 ③ リターンが少ないことを受け入れる

 ①の代表としてはブログがある。②の代表は投資だ。労働もあまりしたくないし、大きなリスクも取りたくないという場合には③のように収益を犠牲にするという方法がある。本書は基本的にサラリーマンとして給与所得を得ながら副業を行い、その副業をできるだけ不労所得に近づけていくということをテーマにしている。

サラリーマンは利権だった

 第1章の「"ネット時代"の不労所得」では、ブロガー、ユーチューバ―、せどり、会員ビジネス、リース、レンタル、第2章の「"投資"による不労所得」では、ギャンブル、株式、FX、不動産の長所と短所をそれぞれ検討している。その上で、「サラリーマンこそ究極の不労所得者である」というのが加谷さんの結論だ。なぜならば......。

 「会社に通っているだけで一定額のお金を稼ぐことができるというのは、実はとてつもない利権なのです」
 「安定的な雇用を前提に、副業で収入をアップし、その副業を可能な限り、不労所得に近い形にアレンジできれば、生涯にわたってゆとりのある生活を送ることが可能となるでしょう」

月5万円の副業収入目指そう

 パーソル総合研究所が2018年に行った「副業の実態・意識調査」のデータを紹介し、正社員で副業をしている人は約1割。その多くは、1日に2時間もしくはそれ以上の時間、本業以外で働き、その結果として約7万円の金額を得ているという。現実的には月5万円の目標を勧めている。

 その上で、サラリーマンが投資で不労所得を目指すには、株式の長期投資に限定した方がいい、という。日本の株式市場は年平均で6%の上昇率を示してきたからだ。月2万円ちょっと、年間25万円の投資を30年間続けると、最終的な資産額は2000万円を超える。実際にそうして「億り人」になった加谷さんの言葉だけに重みがある。

 さまざまな副業をしばしば特集するメディアとして「週刊SPA!」が注目されている。新奇な副業のあれこれに感心するばかりで、実際に自分がやろうと思ったことはない。ちょうど7月16・23日合併号では「老後資金の稼ぎ方」を特集していた。評者も本業のほかの仕事で月数万円を稼いでいるが、その実働時間は10時間程度だ。もちろん不労所得ではないが、日当数万円と考えればコスパはいいかもしれない。著者が目標に掲げる5万円を目指して、もう少し働こうと思った。まあ、こんな調子だからいつまでたっても不労所得者にはなれないだろうが。

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