「腹ペコ騒動記　世界満腹食べ歩き」岡崎大五著

世界各地でハチャメチャな行動を起こす日本人ツアー客と、悪戦苦闘する添乗員の姿を描くエッセー「添乗員騒動記」シリーズで多くの読者の爆笑を誘った著者の待望の新作。

本書は旅の魅力に取りつかれ、85カ国を巡った著者が35年にわたり出会った世界の地元メシを紹介したものである。タイのアヒルラーメン、マレーシアの福建麺（ホッケンミー）、トルコのサバサンド、オランダのコロッケなど25カ国以上の料理がたっぷり収録されている。味や食感の巧みな描写、さまざまな考察に、読めば思わず腹ペコになることは間違いないだろう。

それだけであれば普通のグルメ本といえるが、著者は美味どころか、強烈で面白い人々やトラブルにしばしば遭遇してしまう。時に笑いを誘い、時に切なさを感じさせる全25編のエピソードは、海外旅行好きや紀行小説好きの人ならば必ず心がくすぐられるはず。面白さが詰まった旅グルメエッセーだ。