「新・ラグビーの逆襲」永田洋光著

1980年代、ラグビーは人気スポーツだった。年末の早明戦や、1月15日（当時の成人の日）、学生と社会人の優勝チームが戦い日本一を決める日本選手権はいつも国立競技場を満員にし、季節の風物詩となった。

ところがその人気は失速した。いろいろな原因が指摘されたが、結局「ラグビーは、日本代表が世界で勝てなかったから人気がなかった」（本文より）。時を経て2015年のW杯、日本代表は奇跡の戦いを演じた。五郎丸は人気者になった。ラグビー人気はV字回復したかにみえた...が、またも、ところが、だ。

日本代表の昨今の戦いぶりを見るにつけ、19年のW杯日本開催に向け、このままで大丈夫なのかと思わざるをえないと著者は指摘する。その背景には、世界レベルでのラグビーの動向と、日本代表の歴史的経緯がある。これを踏まえつつ、なにが問題なのか、どうすれば勝てるかを具体的に述べる問題提起の書。