「日本の民主主義はなぜ世界一長く続いているのか」　竹田恒泰著

いま世界中で、民主主義の問題点が露呈している。ただそれは、独裁よりマシな政治制度だ。ではどうすれば、民主主義をうまく運用できるか。

本書では歴史をさかのぼり、古代ギリシャの民主制（デモクラシー）、イギリスの名誉革命、フランス革命、アメリカの独立宣言に基づく民主主義の実像を暴く。

特にフランス革命が、大虐殺やカオスを生み出し、世界史的悲劇をもたらしたことに言及する。

それに対し、「日本は古代から天皇のもと、各時代の為政者が、民の意見を積極的にすくいあげ、人々の幸せを求めて〝徳治政治〟を進めてきた」と論じる。この「日本型民主主義」を、著者は世界へモデルケースとして提案するのだ。

大学2年生向けの授業を基に作られ、口語体で読みやすく、現代の事例も豊富な本書。

講義の臨場感をぜひ味わってもらいたい。