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既製品のスーツがオーダーメイドに変わる!確実に印象度が上がる「服のリフォーム術」とは?

  • 書名 Dr.久美子流 服のリフォーム術
  • 監修・編集・著者名内本 久美子
  • 出版社名万来舎
  • ISBN9784908493270

仕事で成果を上げる人の多くは、身嗜みに気を使う。ブランド物のスーツや靴を身につけているわけではなくても、見た目がすっきりした印象であり、それが信頼感や好感度につながっているのだ。

好印象を与えるスーツの秘密とは何なのか。それは「サイズ感」にあるという。
サイズ感の合っていないスーツは、首元に隙間ができたり、袖や身丈が長すぎたり短すぎたり、シワが寄ったりと、全体的にだらしなさを醸し出す。

身体にジャストフィットしたスーツは、オーダーメイドでしか買えないと思われがちだ。しかし、手持ちのスーツを賢く活用して好印象のスーツを生み出すことができるのが「服のリフォーム」という選択。
そんな「服のリフォーム」の効能と魅力について、株式会社心斎橋リフォームのチーフフィッター兼東京・丸の内店店長であり『Dr.久美子流 服のリフォーム術』(万来舎刊)を上梓した内本久美子氏にお話を伺った。

インタビュー前半となる今回は、リフォームが生み出すマジックと、その効能についてお聞きした。

(取材・文:大村佑介)

――書籍では 「リフォームはマジックのようなもの」という言葉が非常に印象的でした。リフォームのどういうところが「マジック」なのでしょうか

内本久美子(以下、内本):マジックには2つあります。
私がやっている仕事は、洋服のリフォームと、ある服を別のものにリメイクするというものがあります。今回書籍で紹介しているマジックは、リフォーム、特に「サイズ感」のマジックです。

服は、スーツでもカジュアルスタイルでも1㎝、2㎝違うだけで3倍ステキに見えるんです。
例えば、160㎝の人と180㎝の人が、肩幅が同じだからといって同じ服を着たときの見え方は違うわけですよね。小柄だからこうすると良く見える、というお直しをすると、これはもうマジックです。

「背が低いから似合うわけはない」と最初からあきらめていたお客様がいらっしゃいました。ひょんなことからお客様になって頂いてリフォームをしたのですが、それからどんどん自信を持たれて、見え方も変わっていったんです。
小柄な方でも、バランスいい人、格好良い人はたくさんいるわけですよね。リフォームをすることでそこに向かって進んでいける。リフォームと言うと、単なる袖丈詰めやパンツの裾上げを連想される方もいるかもしれませんが、そういう次元ではなくてメンタルも変わるマジックなんです。

――書籍の中で、印象に大きく影響するのが「サイズ感」だというお話がありましたね。

内本:同じ人が似たような服を着ても、見え方や印象が全然違って見えることありますよね? それは「サイズ感」が違うからなんです。
私は「スタイルいいですね」と言われることがあるのですが、実は、スタイルがいいわけではなくて、スタイルが良く見えるようなサイズ感の服を着ているからそう見えるんです。そのサイズ感のテクニックを覚えていくと、男性も格好良く見えるようになります。だから知らないと絶対に損なんですよ。

本当に1㎝、2㎝絞るだけで3倍格好よく見えます。この写真を見てもらえれば、それがわかりやすいと思います。

内本:これはヘアースタイルを変えているからそう見えるんだ、というご指摘もあるかもしれませんが、サイズ感が変わると、姿勢も顔つきも変わってきます。それが意識というものなんです。

――実際、この写真は顔を隠してしまうと同じ人とは思えないですよね。

内本:そうですよね。でも、正真正銘、同じ人で、サイズのお直しをした以外はまったく同じ服です。ジャストフィットした服だと、筋肉も伸びて背筋もピンとして、自信が溢れてくる。だから、お店に来られるお客様は皆さん格好良いですよ。それはもう心や意識からくるものですよね。

内本:スーツに限らず、カジュアルでもそれは同じです。例えば、上のダウンジャケットでも着られないわけではないんですけれど、やはりリフォームした後のものと比べると違いますよね。

――なるほど。比較して見ると本当に「サイズ感」のマジックだということがわかりますね。

内本:新しいものを買おうと思っても、それなりにお値段がしますよね。そういう時に、賢く、無駄なお金をかけることなく、持っている服を活用できるのがリフォームの良さなんです。買うよりは絶対に安いですし、新しいサイズ感で新鮮な気持ちにもなりますよね。

もう一つ知って頂きたいのが、リフォームのメリットは「既製品をオーダーメイドにできる」という点です。既製品の洋服は全部同じサイズですが、リフォームすることで自分だけに合ったサイズ感になります。

リフォームは一ヶ所数千円でできるので、スーツを上下で直ししても2万円ほど。
昔、10万円で買ったのにクローゼットで寝ているスーツも、今のご自分の体型にフィットするサイズ感に直せば、着られるようになるわけですね。

――先ほど、サイズ感を変えることで姿勢や意識は変わるというお話がありましたが、実際にリフォームした服でメンタルに変化があらわれるお客様は多いのでしょうか?

内本:かなり多いです。
あるお客様は、ご来店された最初の時は太っておられて、「細く見えるようにリフォームしてほしい」とご注文されたんです。それでお直ししたのですが、何回かお直しをされていくうちに、お客様ご自身が自主的に体を鍛え始めて、どんどんスリムになられていったんです。最初は、「細く見える服」を求めていたのに、だんだんと「服が似合うようにスリムになりたい」という意識に変わっていったわけです。

実際、スリムな体型になるためにはそれなりの努力が必要で、その努力のためにはキッカケが必要ですよね。そのキッカケを生み出して、人生を変えることができるのがリフォームなんです。

――例えば、「細く見せたい」というリフォームをお願いしたら、どのくらいの期間でできるものなのでしょうか?

内本:一週間くらいでしょうか。
ただ、「細く見せたい」というときは、服を細く小さくするお直しをすることはあまりありません。というのも、実はちょっとゆるいものを着たほうが細く見えるんです。

女性でもタイトで張り付いた服を着る方が多いのですが、そうするとボディラインがくっきり出て、お腹が出ていたりするとそれがわかってしまうんですね。それならば、お腹に合わせた服を着たほうが全体的にはスリムに見えるわけでなんです。

逆に、鍛えた体を見せたい男性であれば、袖口を絞って張り付かせていくと、見せたい部分が見せられるわけです。そこで袖口をゆるくしてしまうと実際よりも華奢に見えてしまいます。こういった目の錯覚による見せ方もマジックと呼べるところですね。

まだこの「マジック」を知らない人は多くありません。リフォームは、まだまだマイナーです。でも、それを知らないことは本当にもったいないことで、知らないことで損をしている方も多いと思うので、ぜひ「リフォームはマジック」だということを知ってほしいですね。

(後編に続く)

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