2024年 4月 20日 (土)

自転車に乗り過ぎるとEDになるってホント?

   さわやかな風を受けながら颯爽と走る自転車。いま、サイクリングが空前のブームである。自転車で通勤する「ツーキニスト」や、旅する自転車愛好家の愛称「チャリダー」という言葉も定着した。

   「エコにもなるし、健康にもよい」......はずで始めた自転車なのに、オトコの体に良くないなんて!?

  • 日本の伝統「赤ふんどし」なら、ツーキニストにとってツーキ(通気)性抜群(イラスト:サカタルージ)
    日本の伝統「赤ふんどし」なら、ツーキニストにとってツーキ(通気)性抜群(イラスト:サカタルージ)
  • 日本の伝統「赤ふんどし」なら、ツーキニストにとってツーキ(通気)性抜群(イラスト:サカタルージ)

硬いサドルが局所を圧迫。ED発症率は非サイクリストの3~4倍。

   答えは、残念ながらホントのようなのだ。ただし、ママチャリを普通に乗っている分にはまったく心配ない。問題は、きつい前傾姿勢をとるスポーツタイプのロードバイク。硬く細長いサドルに局所(会陰部)を圧迫されながら何時間も走る生活を続けると、ED(勃起不全)のリスクが高まることがわかってきた。

   1997年、米国泌尿器科学会が衝撃的な調査を発表した。ボストンの男性サイクリストとランナーを比較した結果、「中程度~完全なED」である者は、ランナー群が1.1%だったのに対し、サイクリスト群は約4倍の4.2%だった。1999年、独ケルン大学が、アマチュアの長距離サイクリストと非サイクリストをアンケート調査してED発症率を調べた。非サイクリスト群が3.9%だったのに対し、サイクリスト群は13.1%だった。

   米国には自転車でパトロールする警官が多く、ペニス周辺の「痛み」や「しびれ」を訴える者が絶えない。そこで2008年、米国労働衛生研究所が、会陰部に当たらないようサドルの先端部分をカットした「ノーズレス(鼻先がない)型」の自転車を警官に半年間使ってもらい、「勃起に与える影響」や「ペニスの敏感性」などへの効果を調べた。すると、ペニスの「しびれ」「痛み」を感じる度合いが73%から18%に減り、「勃起しやくなった」「ペニスが敏感になった」という人が増える結果がでたのだ。

   こうした海外の「自転車ED」研究を受けて、日本性機能学会も2012年版の「ED診療ガイドライン」から、「自転車は注意が必要」「乗車時間とEDの間には明らかな相関関係がある」と記載し注意を促している。

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