2024年 4月 26日 (金)

むせやすくなったのは年齢のせい それ「飲み込む力」の衰えです

【健康カプセル!ゲンキの時間】(TBS系)2016年2月28日放送
「身体の不思議」

   のどはちょっと不思議な器官だ。子どものころは免疫機能として重要だが、成長後は「なくても支障がない臓器」とまで言われる扁桃、実際は男女ともに存在するが、外見上は男性だけにしかなさそうに見える「のどぼとけ」......。

   のどには、年齢とともに変化が起きる。最近「ゴホゴホ」とむせやすくなった、そう感じることはありませんか。番組で詳しく解説した。

  • 何かを飲むとき、ついむせてしまいませんか(写真はイメージ)
    何かを飲むとき、ついむせてしまいませんか(写真はイメージ)
  • 何かを飲むとき、ついむせてしまいませんか(写真はイメージ)

気管を通って肺に菌が入りやすくなる

   ものを食べたとき、気管ではなく食道に流れ込むよう調節する気管が「喉頭蓋(こうとうがい)」だ。いつもは開いているが、食べ物が通る際に「ふた」が閉じるように気管をふさぐ。順天堂大医学部総合診療科の志賀教克助教は、「年齢を経るにしたがって、飲み込む力が少し衰えてくる」と説明した。

   番組では、28歳と75歳の男性にそれぞれバリウムを飲んでもらい、その様子をX線で撮影した。まず28歳男性の場合、バリウムが喉を通過する際に喉頭蓋が絶妙のタイミングで閉じ、気管に入らず食道へと勢いよく流れていった。一方の75歳男性は、若干量のバリウムが喉頭蓋にたまってしまった。これが危ないのだ。

志賀助教「たまっているものが気管に流れ込んで、誤嚥(ごえん)をしてしまうことがあります」

   高齢化に伴い、飲み込む力が衰えているのが原因で、これによりむせる回数が増えてしまう。実は脳とのかかわりが深い。飲み込んだ際に、脳から信号が送られて喉頭蓋が反応するが、加齢により脳からの信号が遅れるようになる。のどの筋肉の衰えもあって、誤嚥を引き起こすというわけだ。

   誤嚥の恐ろしさは、気管を通って肺に菌が入りやすくなる点にある。これが「誤嚥性肺炎」の引きがねになり、体力的に弱った多くの高齢者の命を奪っている。

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