2024年 4月 20日 (土)

タワマン住民悩ます「長周期地震動」 長時間続く揺れで体調崩す恐れ

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   福島県沖を震源とするマグニチュード(M)7.3の地震が2016年11月22日早朝に起きた。午前6時前だったため、自宅にいた人も多かったはずだ。

   大きな揺れを観測した首都圏では、特に高層マンション住民の健康への影響が懸念される。キーワードは「長周期地震動」だ。

  • 長周期地震動は高層ビルを長時間、大きく揺らす
    長周期地震動は高層ビルを長時間、大きく揺らす
  • 長周期地震動は高層ビルを長時間、大きく揺らす

横浜や浦安で「階級2」を記録

   長周期地震動について気象庁は、「比較的規模の大きな地震で生じる、ゆっくりとした大きな揺れ」と定義している。高層ビルを長時間、大きく揺らすため、特に高層階では室内の家具が移動・転倒するといった被害が生じる恐れがある。2011年3月11日の東日本大震災では、東京都内のあるビルを例にとると、2階の場合は書棚から本が数冊落下しただけで済んだのに、24階の部屋ではラックが完全につぶれ中の荷物が飛び出していた。これだけの衝撃なら、人体に影響が出ても不思議はない。

   気象庁では長周期地震動を4つの階級に分けている。「人体の体感・行動」という項目を見ると、次のようになる。

   (1)階級1:室内にいたほとんどの人が揺れを感じる。驚く人もいる。

   (2)階級2:室内で大きな揺れを感じ、物につかまりたいと感じる。物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。

   (3)階級3:立っていることが困難になる。

   (4)階級4:立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされる。

   「階級4」は、最近では2016年4月16日の熊本地震で記録された。

   今回の福島沖地震で気象庁は、宮城県、福島県など8県の12観測点で「階級2」だったとウェブサイト上で発表した。このうち首都圏では横浜市鶴見区大黒ふ頭や、千葉県浦安市、成田空港にある観測点が含まれる。「階級1」は東京23区や横浜市中区、川崎市中原区、さいたま市浦和区などだった。

   記者は神奈川県にあるマンションの比較的高層階に住むが、揺れている間は「ミシッ、ミシッ」という何かがきしむ音が頻繁に聞こえ、不安になった。正確に計っていなかったが、体感として5分程度は部屋が横に揺れ続けた気がした。航行中の船の中にいる感覚に似ており、寝起きだったせいもあるのか軽いめまいと吐き気に襲われた。揺れが止まった後も気分の悪さは抜けず、しばらくは起き上がれなかったほどだ。因果関係は明確ではないものの、地震の後に体調不良になるというのは、過去に体験したことがない。

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