駅のホームで視覚障害者が困っている 「声掛けなきゃ、でもどうすれば」

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   2016年8月に東京メトロ銀座線の青山一丁目駅で、盲導犬を連れて歩いていた視覚障害者の男性が、ホームから転落して死亡するという事故が起きた。

   国土交通省や鉄道各社はホームドアの設置やホームの端を認識しやすくするための対策を検討しているが思うように進んでおらず、2017年1月14日にも埼玉県のJR蕨駅で同様の事故が起きた。視覚障害者の安全を守るには、声掛けがカギとなる。

  • 気がつくと点字ブロックの上にいたら要注意
    気がつくと点字ブロックの上にいたら要注意

ためらわずに、でも大声で「危ない」はやめて

   国土交通省が発表している「ホームからの転落件数の推移」によると、同省に報告されている視覚障害者の転落件数は2009年から2015年までで426件で、平均すると毎年70人近くが転落していることになる。

   転落防止策としてホームドア設置が急ピッチで進められているが、都心を走るJR山手線の駅に限定しても、23駅中18駅が山手線ホームのみ設置となっており、全線全駅ではない。こうした状況を受け、国土交通省が設置した調査検討委員会は「周囲の人も積極的に声掛けを」と度々呼びかけているが、目の不自由な人に突然どうやって声をかけてよいのか、迷ってしまうかもしれない。

   何かルールがあるのではないか。J-CASTヘルスケアの取材に対し、自身も視覚障害者だという日本盲人会連合の担当者は、「困っていそうだと思ったらためらわず声をかけていただければ」と話す。視覚障害者の援助には「同行援護」、いわゆるガイドヘルパーがあるが、財源の都合上通勤や通学には利用できないルールのため、朝のラッシュ時など危険性が高い時間帯は単独移動せざるを得ないという。

「ただ、私たちも周囲がほとんど確認できていない中を歩いていますので、急に大きな声で『危ない』と叫ばれたりすると驚いて混乱してしまい、それが事故につながる可能性もあります」

   理想的だとする掛け方は、声を掛けられた視覚障害者が自分に向けられていると把握でき、かつ具体的な指示だという。例えばホームでの転落防止の場合、「白杖の方、そこで止まってください!」と、当人の特徴と場所や行動を具体的に示す必要がある。

「本当に急を要するような状況であれば、もちろん抱きついてホームに引き戻していただくなどしてもらえればと思います」

   担当者がホームでの不安要素として挙げたのが、点字ブロックをふさがれてしまうことだ。点字ブロックはホームの端を示す位置に設置されており、危険を示す目安になるが、そこに人が立っていたり荷物が置かれていると、正確に把握しづらくなってしまう。

「(点字ブロックから)どいてほしいとは私たちもなかなか言いづらく、何とか避けようとしてホームの端ギリギリを歩くこともあります。点字ブロックがあることに配慮してもらえると助かります」
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