2024年 4月 20日 (土)

存在しない人が見え、睡眠中に大声で寝言 「レビー小体型認知症」あの有名人も?

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   認知症の高齢者は、年々増加している。内閣府の「平成28年(2016年)版高齢社会白書(概要版)」によると、65歳以上の認知症患者数は2012年の462万人から、2025年には約700万人に達すると推計されている。

   認知症はいくつもの種類がある。そのなかで割合が多い3種類がアルツハイマー型、脳血管性、そしてレビー小体型認知症(DLB)だ。世界的に有名な日本人、オノ・ヨーコさん(84)が、DLBを患っているとの話がある。

  • 公式サイト「IMAGINE PEACE」より
    公式サイト「IMAGINE PEACE」より
  • 公式サイト「IMAGINE PEACE」より

実弟が「本人も認識している」と明かす

   ジョン・レノンの名曲「イマジン」。この曲の共作者として、妻のオノ・ヨーコさんの名がクレジットされることになった。全米音楽出版社協会が2017年6月14日に発表すると、2人の息子のショーン・レノンさんは「インスタグラム」にヨーコさんらと一緒の写真を投稿、「母は涙がこみ上げていた」と明かした。ヨーコさん自身もツイッターで、協会に謝意を表すなど喜んでいた。

   ただ、高齢のヨーコさんには健康不安がささやかれている。2016年2月、米ニューヨークの自宅から救急搬送され、一時は脳卒中との話が出た。さらに「週刊新潮」2017年5月4・11号では、ヨーコさんの実弟の啓輔氏が同誌の取材に、息子のショーンさんから聞いたとして「DLBという認知症らしいんだ。本人も認識しているよ」と明かした。そうと分かったのは「去年の5月か6月かそのへん」だという。

   4月15日付の英大衆紙「ミラー」電子版には、車椅子に乗ったヨーコさんが、介助する女性に押されて自宅近くのニューヨーク・セントラルパークを散歩している写真が掲載された。その様子を見ていた人は、ヨーコさんはおよそ30分間の外出中1度も車椅子から立ち上がらず、弱々しい印象だったという。

   ヨーコさんがDLBか否か、啓輔氏の証言以外には確かめようがない。ただ一般的に、高齢者にとっては珍しい病気ではないようだ。

   2017年5月22日放送の「情報ライブミヤネ屋」(日本テレビ系)では、ヨーコさんのニュースを取り上げたが、ゲストで出演していたタレントのRIKACOさん(51)は、4年前に父がDLBを発症したと明かした。「落ち着きがないところから始まって...2年前にDLBだと分かったんです」。初めはじゅうたんをむしって「虫がいる」、また「そこに人がいるからよけてくれ」と言っていたという。

駐車場の車が自分に向かって動いてきたように見え...

   DLB については2016年4月19日放送の「きょうの健康」(Eテレ)で、かわさき記念病院副院長の長濱康弘氏が詳しく解説していた。「脳の中に『レビー小体』という変異したたんぱく質のかたまりが現れ、これによって徐々に脳の神経細胞が壊されることで起こります」という。75歳以上の高齢者が発症するケースが多く、認知症患者全体の1割を占めるとの説もある。

   長濱氏が示した以下の5つのうち、2つ以上当てはまればDLBが疑われる。

(1) 実際はいないのに、「人がいる・虫がいる」などと訴える。
(2) ぼんやりとはっきりの差が激しい。
(3) 小刻みにたどたどしく歩き、よく転びそうになる。
(4) 睡眠中、大声で寝言を言う。手足を激しく動かす。
(5) 落ち込むことが多くなった。

   このうち、最も特徴的なのが(1)の「幻視」。家族や周囲の人で、明らかに様子がおかしいと感じ取ったら、全国にある「認知症疾患医療センター」か、「認知症サポート医」に指定されている内科医を受診する、あるいは市区町村にある「地域包括支援センター」や、各都道府県にある「認知症の人と家族の会」に相談するよう番組では勧めた。

   50歳でDLBと診断された樋口直美さん(54)は、認定NPO法人「健康と病いの語り ディペックス・ジャパン」がウェブサイト上で配信している動画の中で、自らの体験を話している。幻視は具合が悪いときではなく「全く正常な意識、全く正常な思考力を持っている時に見えます」。いろいろなものが動いて見え、ある時に駐車場の車が自分に向かって動いてきたように見えたため止めようとして、一緒にいた人に驚かれた。幻視だけでなく幻聴、さらには「ナイフで切られたような痛み」や「何かがすごい腐っている嫌なにおい」という幻にも襲われた。

   初めはうつ病と診断され、薬の副作用でかえって体調が悪化。DLBと正しく診断されるまで時間がかかったそうだ。一方で、慎重で適切な治療とケア、ストレスを避けて人と楽しく生活することで大きく改善するという。「希望はたくさんあるので、慢性疾患の一つのようにこの病気とうまく付き合いながら生活していって欲しいと願う」と語っている。

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