2019年 12月 16日 (月)

繰り返す「否定」で相手を支配する「モラルハラスメント」の恐怖

印刷
エーザイが開発したサプリ『美チョコラ』無料モニター募集!

繰り返す「否定」に支配されてしまう

「モラハラ」行為を解説したイルゴイエンヌの著書
「モラハラ」行為を解説したイルゴイエンヌの著書

   一日の多くの時間を過ごす職場では、小さなストレスであっても、それを繰り返し頻繁に受けることで大きなダメージになることがある。このような行為について、フランスの精神科医、マリー=フランス・イルゴイエンヌは、著書の中で「モラル・ハラスメント」と呼び、

「ことばや態度で繰り返し相手を攻撃し、人格の尊厳を傷つける精神的暴力のこと」(『モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられない』紀伊国屋書店)

と定義している。「見えない暴力」を「モラハラ」と名付けることで、セクハラ、パワハラといった言葉で説明できない微妙な精神的な嫌がらせの存在と、被害の実態を浮かび上がらせたわけだ。

   イルゴイエンヌによれば、モラハラの加害者は「自己愛的な変質者」に多く見られるという。賞賛を求め、自分が優れた人間だと感じたいがために、他人に対する評価を貶める。自分の優越感を支えるために、絶えず身近な弱い人を否定しつづけ、組織の中にスケープゴートを作りたがる。平気で他人を利用し、他人が苦しんでいても同情を感じない。

   その結果、何をやっても否定的に扱われる状況に包囲された被害者は、次第に自分の感覚が信じられなくなってしまう。そして「否定」に支配されてしまうのだ。まるでパブロフの犬のように、「あの人」の声を聞いたりメールを受信するだけで、身体が硬直したり脂汗が出たり、理由のない罪悪感に襲われたりする。

   モラハラは静かにジメジメと行われるので、周囲に気づかれにくく、他人に相談しても「そんな些細なこと」と言われ、果ては「自分が甘いんじゃないの」などと、さらに否定されてしまう。そして被害者は抑うつ状態に陥り、その結果、退職や自殺に追い込まれることもある。

今すぐ無料会員に登録して、コメントを書き込もう!
モラル・ハラスメントが人も会社もダメにする
モラル・ハラスメントが人も会社もダメにする高野優訳

紀伊國屋書店 2003-02-08
売り上げランキング : 10944

おすすめ平均 star
star読んで 救われました
starモラ・ハラの実態
star会社でのいじめにどう対処するか

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
お知らせ

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中