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「梅田さん、ダークサイドに堕ちてますよ!」(『ウェブ人間論』)

    梅田 『スター・ウォーズ』といえば、公開される前日は、シリコンバレーのマウンテンビュー市の映画館全部がグーグルの貸し切りだったんですよ。・・・・・・「価値観を共有」といえば強すぎるけど、(グーグルは『スター・ウォーズ』の世界に)けっこう影響はされていると思う。それは「はてな」の近藤(淳也社長)たちも一緒で、僕は取締役になるための通過儀礼として、『スター・ウォーズ』のDVDを全部見てくれって言われたんですから(笑い)。

    ・・・・・・この間も「はてな」の取締役会で、「梅田さんは最近ブログの更新がない」って吊るし上げに遭ったんです。「本が売れたからじゃないか」と詰問されて、それで僕は、

「正直言ってブログを更新する何かいいアイデアが出た時に、更新しようかなって一瞬思うけど、次の本まで取っとこうかなって思ったりするんだよ、だってブログだけで届くものより、リアルの世界ってやっぱりすごいよ」

って、あまり考えずに口にした瞬間に、

「ダークサイドに堕ちてますよ!!」

と一斉に言われちゃったんです。(略)

平野     それは面白いですね。冗談だけど半分本気なんでしょう。でも、それがグーグルでも同じだとしたら、彼らに「制御(コントロール)」なんていう思想があるはずがないと、妙な説得力で信じさせられますね。

梅田望夫・平野啓一郎『ウェブ人間論』(新潮新書,2006年)145~147頁より〕

(会社ウォッチ編集者Uのヒトコト)
ITコンサルタント・梅田望夫氏と、芥川賞作家・平野啓一郎氏との対談。ネットに対する二人の見方が微妙に異なるので話が立体的になっている。梅田氏の単著とはまた違った面白さがある。新しい世界を拓く会社には、強力なカルチャーが共有されているという例。



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