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凡人こそ「できるヤツ」と呼ばれるコツが必要だ!

    社会保険労務士の野崎大輔です。この夏、3年あまり勤務した会社を退職し、独立して仕事を始めたところです。今回から「凡人」である私が、何のとりえもないフリーターを経て“成り上がる”までに実践してきた「行動戦略」をお伝えします。仕事に悩む若手社員の皆さんの参考になれば幸いです。

「できるヤツ」と思わせる20のコツ・記事一覧

大学受験失敗、就職活動せず、資格試験失敗の日々

インパクトを考えて両面黒字の名刺を作ってみました
インパクトを考えて両面黒字の名刺を作ってみました

    最初に「凡人」の自己紹介をします。私は大学受験に失敗し、浪人中にも勉強はしたのですが、結局第三志望の大学にしか合格できませんでした。大学に入ると全く勉強せずバイトと遊びに明け暮れて、不摂生で胃カメラを飲んだこともあります。

    大学を卒業した平成12年は、ひどい就職氷河期でした。リストラの嵐が吹き荒れるニュースを見ながら「苦労して会社に入っても、クビになるなら頑張っても仕方ないな」とサラリーマンに見切りをつけました。そしてやりたいことも無かったので、就職活動をしないまま卒業してしまいました。

    卒業を1カ月前に控えたある日、大学生協の前で目にした資格のパンフレット。直感的に「これだ!」と思い、数ある資格から、独立開業が可能な社会保険労務士を取ることを決意しました。周りから見たら、なんとも無計画な男と思われたことでしょう。

    「金なし、知識なし、勉強の習慣なし、周囲の反対あり」という状況で、フリーターをしながら独学で毎日8時間以上、猛勉強しました。支えになったのは「オレは合格できる」という根拠のない自信だけ。……実際には1回で合格できなかったのですが。

    2回目の試験の直前期には、プレッシャーのあまり胃痙攣で病院に運ばれました。そんな苦労の甲斐あって、なんとか社会保険労務士の試験に合格。ここで私は「これで自分の人生は大丈夫!」と安心してしまったのです。

資格は取得したものの、20社以上から「不採用」

    しかし、いざ就職活動をしてみると、そんな甘い考えは木っ端微塵に砕かれました。「合格率8.7%の国家試験に受かったんだから、就職なんて楽勝だ!」と自信満々で履歴書を20社以上に送ったのに、すべての会社から「不採用」にされてしまったのです。

    資格があっても、実務経験がなければ採用される可能性は低かったのです。その後、秋まで粘って、なんとかある会社に中途採用の形で拾ってもらいました。それでもこのときは、仕事に対するスタンスがはっきり定まっているとはいえませんでした。

    結局、1年ほどで退職し、フリーター生活に逆戻り。その後、小規模の士業事務所勤めなどを転々とし、無職で失業保険をもらう時期もありました。わずか3年で3回の転職をした末に、あらためて「経験を積むなら企業の人事が一番だろう」と考えました。

    再び就職活動。上場企業の求人に応募して、運よく人事部で採用されました。しかし、それまでまともな会社勤めや実務経験があったわけではありません。せっかく入った会社なのに、このままでは「できないヤツ」と思われて仕事を干されてしまう、という恐怖感に襲われました。

    会社の中で生き残るためには、自分で工夫して行動するしかありません。さんざん頭をひねった結果、ひとつの結論に至りました。

    「会社で快適に仕事をするためには、周囲に『できるヤツ』と思わせることが大切だ」。

周囲に「できるヤツ」と思わせれば好循環が始まる

    「できるヤツ」と思われれば、上司から仕事を振られやすくなります。周囲も「できるヤツ」をぞんざいに扱わないので、仕事上のコミュニケーションを取りやすくなります。他人の期待を感じることができれば、自分自身の精神衛生上もよいはずです。

    逆に「ダメなヤツ」と思われると、仕事がしにくくなり、人間関係もギクシャクします。周囲の人も「人間的にできていて、仕事もできる人材」と仕事をした方が、気分が良いでしょう。すべてのスタートは自分を「できるヤツ」と周囲に思わせること、と気づいたのです。

    それからは、毎日が「凡人を有能なビジネスマンに見せかける」実践の繰り返しでした。その結果、仕事を通じてさまざまな経験を積ませてもらった末に、曲がりなりにも自分でやりたい仕事で独立することができたわけです。

    そこでこのたび、このコツを「20の行動戦略」としてまとめてみました。いずれも今まで私自身が実践してきたものばかりで、机上の理論ではありません。高い能力は必要なく、8割は当たり前のことで常識的なモノです。あとの残り2割は少しの努力が必要ですが、たくさんのお金が必要ということもありません。

    このコツを飲み込むことができれば「自分の能力が職場で発揮できていない」と悩んでいる人も、周囲に良い印象を与え、大きな評価を受けるようになります。良い習慣となれば意識と行動が変わり、成果が変わります。あなたはローリスクでハイリターンを得ることができるのです。

※本連載は毎週金曜日に掲載予定です。

野崎大輔

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