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オフィスで「湯たんぽ」 OLの心と体を温める

   冬のオフィスでは、体が冷えて仕事にならない。そんな風に嘆くOLは意外に多い。防寒対策の定番といえばひざ掛けやカイロだが、最近は湯たんぽを職場に持ち込む女性が増えている。体だけでなく心も温かくなると好評だ。

持ち運び便利な「ミニ湯たんぽ」が人気

デスクワークで湯たんぽを使う女性が増えている
デスクワークで湯たんぽを使う女性が増えている(写真は「湯たんぽCUSE BERRY」提供)

   ここ2、3年、エコ意識の高まりも手伝って、湯たんぽの売れ行きが伸びている。夜寝るときに使う2~3リットルの通常タイプに加え、500ミリリットルほどのミニタイプの人気が高まっているのが、最近の特徴だ。

   「無印良品」を展開する良品計画では2008年10月上旬、新しい型の湯たんぽを発売した。前年は2.5リットルのタイプを販売したが、今年はより小型化して、2リットルと470ミリリットルの2タイプに変更した。小さいタイプはもともと子供用を狙っていたが、持ち運びが便利なので、オフィスでの利用も考えられるという。

「販売状況は非常に好調で、発売から約1か月半ですでに5万個が売れました(2タイプの合計)。これは昨年半期の売り上げに匹敵する数字です」(同社広報)

   東武百貨店でも「ミニタイプの湯たんぽは、若い女性を中心に比較的よくでている」という。売れ筋の「ハンディ湯たんぽ『Coたんぽ』」(ミツミ製)は、17センチ×13センチ×5センチの大きさで500mlの湯が入るミニタイプだ。

ウォームビズで「湯たんぽOL」が増えた

   湯たんぽはネットの通販サイトでも人気だ。健康関連の商品を取り扱う「ケンコーコム」では、取扱点数が昨年に比べ235%増となり、販売個数も342%増と大幅な伸びを示している。ここでの売れ筋商品は、レンジであたためるタイプとぬいぐるみケース入りのものだ。

   オフィスでの利用を考えると、かわいい柄の「湯たんぽカバー」も欠かせない。08年9月にオープンした湯たんぽ専門サイト「湯たんぽCUSE BERRY」では、100種類以上の湯たんぽカバーをラインナップ。温かみのあるボア素材でできた、キャラクター柄やアニマル柄のカバーを取り揃えている。

   同サイトを運営する黄瀬商事の黄瀬正道代表は、

「購入者はロハスやエコを意識している人で、特に若い女性が多い。おしゃれなデザインなので、職場で使う人も多いようです。オフィスでの使用が増えているのは、ウォームビズなどで社内の空調の設定温度が低くなっていることも一因では?」

と分析している。

湯たんぽを使えば「仕事の能率」もあがる

   ビジネスマナー研修のシェリロゼ代表の井垣利英(いがき・としえ)さんも最近、オフィスで湯たんぽを使い始めた一人だ。これまでは防寒対策として、床に電気マットをひき、毛布のひざ掛けをしていた。しかし今は、湯たんぽを太ももの上に置いたり、腰に当てたりしている。

「太ももの上にのせていると汗が出るくらい温かくなって、下半身全体の血流が良くなる感じ。また、腰とイスの背もたれの間に置くと、おなかの周りが温められて、生理のときもラク。むちゃくちゃおすすめですよ」

   井垣さんによれば、湯たんぽのぬくもりは電気マットやエアコンとは違う「自然のぬくもり」。風呂に入っているときに似たリラックス感があるという。

「湯たんぽのおかげでストレスも癒されて、落ち着いた気持ちで仕事ができるようになると思います。単なる寒さ対策にとどまらず、仕事の能率をあげるという効果もあるのではないでしょうか?」

と井垣さんは話している。