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「真のリーダーシップは年齢や肩書き、性別や権力とは別物」(カルロス・ゴーン)

   「部下がついてきてくれない……」「今度の仕事、自分がリーダーなのにみんなをまとめられない……」。そんな悩みを抱えているビジネスマンにおすすめなのが『ゴーン道場』(朝日新書)だ。日産をV字回復させたことで有名なカルロス・ゴーン氏が「人育て」の要点を語る。そのなかでゴーン氏はリーダーに必要な資質について次のように述べている。

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「何よりも大切なのは、モチベーションを喚起する力」

「ゴーン道場」の帯カバーには和服姿のゴーン氏の写真が使われている
「ゴーン道場」の帯カバーには和服姿のゴーン氏の写真が使われている
   「私の考えではリーダーを際立たせる資質は3つあると思います。モチベーションを喚起すること、信頼を得ること、成果を示すことの3点です。まず何よりも大切なのは、リーダーに備わっているモチベーションを喚起する能力です。これ以上、強力なものはありません。どんなに困難なことも、人々の心と情熱に訴え、もうひと頑張りする気にさせることができれば、いろいろなことが可能になるのです。

   ・・・日産で、私は190カ国以上で働く22万5千人の社員を抱える企業の社長を務めています。グローバルな事業展開をする主要な自動車メーカーのトップとしての私の仕事で最も大事な役目の1つは、すべての地域に散らばる人々の間をつなぐことにあります。マネジメントとは人々にやる気を起こさせ、社員をサポートし、会社がどこへ向かっているのかを理解させることです。優秀な管理職はコーチのようなものです。ルールを知っていなければならないし、チームのメンバーと相談もするし、判断を下したり、困っている部門では人員交代の指示をしたりします。

   これが実は優秀なリーダーの2つ目の資質、信頼性につながっていきます。何事も信頼抜きに成し遂げることはできません。

   ・・・真のリーダーシップとは年齢や肩書き、性別や権力とは別物です。リーダーシップとは性格、勇気、成果によるものが大きい。何をしたか、ではなく、あなたがどういう人か、その表現なのです。あなたは決断を下し、その責任を進んで取るような人なのか。あなたは何か決定的なことをしようと決心できる人なのか。常に一貫性があり、あなたの言葉や行動が誠実で透明なら、そしてあなたが他人の個性や違いを尊重できる人なら、きっと信頼の絆を築くことができるはずです。それは組織を有効的に動かすのに必要不可欠なものです」

カルロス・ゴーン『ゴーン道場』〔朝日新書 116頁~120頁〕より)

(会社ウォッチ編集者Sのひとこと)
「カルロス一問一答!」というのが適切な、Q&A方式の本。「女性の洋服は褒めない」など、ゴーン流の女性社員との接し方もなかなか興味深い。問も回答も簡潔にまとめられているので、ちょっとした空き時間を縫いながらでも十分に読める。

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