J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

シュガー予備軍を見破る!「中途採用面接」のコツ

   自分に甘いシュガー社員は、悪い知恵には長けており、面接で完全に排除することは困難な場合もあります。「面接シート」などのツールを使って、仕事に対するスタンスなどを見抜き、ミスマッチを起こさないことが重要です。また、逆に求職者から「ブラック会社」と噂されないように、企業体質を健全にすることも必要です。

>>シュガー社員がやってきた!・記事一覧

「面接シート」でシュガー度をチェック!

   一人で何人もの面接をしていると、次第に疲れが出てきて集中力が弱まり、採用してはいけないシュガー社員予備軍を見逃すおそれが高くなります。「面接シート」を準備し、事前に書いておいてもらうと、突っ込んで確認すべき部分が見えやすくなります。

   待ち時間にその場で文章を書いてもらうことで、応募者の真の知識や読解力、文章力が見えるという効果もあります。以下に、中途採用を想定した「面接シート」の項目を挙げますので、参考にしてください。また、これから面接に望む方は、このような観点で面接担当者に見られているということを、意識してみてください。

1.前職の退職理由

   前職をなぜ退職するに至ったかを確認します。「会社に不満」「上司に不満」といったネガティブ要因の場合、それが逃避的な内容であれば、困難に向き合わないシュガー社員であるおそれがあります。また、残業が多いからという理由の人には「当社にも残業がありますが、大丈夫ですか」と確認しておく必要があるでしょう。

   「自分が○○したいから」といったポジティブ要因の場合であっても、単に「お花が好きだから」「車が好きだから」で出来るほど、仕事は楽なものではありません。具体的な仕事の中身を説明して、きちんやり遂げる覚悟があるか確認しておく必要があります。

2.自分にはどういう仕事が向いていると思うか

   「システムを作り上げる仕事」と「マニュアルがある仕事」のどちらが向いていると思うかを聞きます。ルーチン中心であれば問題はありませんが、そうでない場合は多様な業務に対応できるか確認します。もし「システムを作り上げる仕事」と答えた場合にも、過去の経験を聞いたり、具体的に新しく仕組みを作りたい仕事を例示して、それを遂行できるかどうかを聞いておきます。

3.最近ストレスを感じたこと

   人間関係、業務量の多さ、顧客との距離など、ストレスの感じ方は人それぞれですが、どこにどの程度ストレスを感じるかを確認しておくことは重要です。ポイントのずれた回答があれば、その背景にある考え方を聞き出しておきます。シュガー社員予備軍は「うちの犬が病気になったこと」など、仕事と関係のないことを記入したりします。

4.キャリアビジョン

   自らどういう能力を身につけて、どういう仕事をしていきたいか。その内容は多様でよいと思いますが、自分なりの考えがない人や「キャリアビジョン」の意味が分からない人は、「会社は私に給料をくれるところ」としか考えていない、ルーティンワークだけで満足してしまうタイプである可能性が高いでしょう。

5.この仕事をするための必要なスキル

   事務職、営業職、企画職など、職種によって求められるスキルがあるはずです。それが何なのかを理解していなければ、仕事に対する真剣さや能力を疑ってみるべきです。

   このほか、「社員研修は企業にとってどのような意味がありますか」「今までどのような自己啓発を行いましたか」などの項目も入れて、仕事へのスタンスを確認しておきたいものです。なお、応募の動機が「この会社なら自分でも入社できるかなと思って」とか「私の能力を活かせる企業であることを期待しています」などと答える人は論外です。

求職者だってブラック企業には入社したくない

   ところで、企業の経営者が「優秀で健全な求職者」を期待しているのと同様に、求職者も厳しい視点で企業を選別していることにお気づきでしょうか。優良企業と真逆の体質を持つ企業は、ネット上で「ブラック会社」と呼ばれています。

   ブラック会社とは、具体的には「求人誌の常連」「入社を慌てさせる」「夜遅くまで電気がついている」などが判断のポイントとされているようです。J-CASTの記事「泥のように働かされる『ブラック会社』どう見分けるか?」を参考にするのもよいでしょう。

   せっかく入社した社員が、なぜか次々と退職してしまう場合、「あいつはシュガー社員だったからなあ」で済ませていませんか。組織診断などで企業風土の見直しをして、自社がブラックな体質になっていないか、チェックを行って下さい。

   ブラック会社は、会社の大きさや知名度とは関係ありません。大手有名企業であっても、ブラックな企業体質を放置していれば、退職者が「あそこはブラックだ」と噂を流して、いくら求人を出しても求職者が集まらないということが起こります。

田北百樹子

>>シュガー社員がやってきた!・記事一覧