2024年 4月 19日 (金)

自分の身は自分で守る!プロが教える「ホケン」の使い方

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

   先日、5年に1度開催されている高校の大きな同窓会がありました。卒業して15年も経つと、メタボリック街道をまっしぐらな同級生や、頭の上がすっかり寂しくなっている仲間も、ちらほらと。

   名簿を見て「はっ」と思ったのは、学年400名のうち、すでに5人もの仲間が亡くなっていたことです。とても残念なことなのですが、厚生労働省のホームページに掲載されている「第20回完全生命表」によると、この人数は決して多くないのです。

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保険料の5割が「手数料」に消える商品もある日本のホケン

   この表を使って、これから15年後、49歳になったときの同窓会のときにどうなっているのか分析してみたところ、なんと、あと10人の仲間を失うことが分かりました。自分がこの世を去るイメージというのはなかなかつかないものですが、会場を見渡しながら、自分がその10人に入らない保証はないんだな・・・と思うと、残される家族に十分な蓄えを残せるか、少し不安な気持ちになってしまいました。

   いま、若い人の間では、生命保険の未加入率が高まっているそうです。確かに、健康に自信があるうちは「まだ自分には要らないや」と思われるかも知れませんが、一生独身で過ごそうと考えている人以外は、できるだけ早く最低限の保障に加入しておくことをおすすめします。なぜなら、生命保険は多くの場合、病気をしてしまうと入りづらくなってしまうからです。「子どもができたので加入しようと思ったら、ちょっと前にした病気を理由に断られてしまった・・・」という人に、これまで何人も出会いました。

   他方で、生命保険が割高な買い物になってしまうことが多いことも確かです。著名なファイナンシャルプランナーの分析によると、皆さんが払う保険料のうち4割から5割が手数料として費消されている、という結果もあります。中には、1千万円を超える保険料を払い込んだものの保険期間が過ぎたら何も残らない、という商品もあります。

生命保険を上手に選び、浮いたお金を自己投資に

   また、ほとんど知られていないのですが、日本の生命保険の保険料は、諸外国と比べても非常に高い水準にあります。典型的な生命保険ということで「30歳・男性・標準体・3千万円・10年定期」を条件に、日・米・英の保険料をネットで見積もってみました。わが国の場合、多いのが月5,000円~7,000円のレンジ。10年ごとに更新し(保険料は更新時に上がります)、累計30年間加入し続けた場合、払込総額は450万円程度になります。

   これに対し、米国の場合は、喫煙の有無と血圧・コレステロールなどの健康状態によって保険料は大きく変わってきます。一番保険料が高い「喫煙・標準体」でも、日本の下限に近い月4,900円相当。もっとも安い「非喫煙・健康優良体」であれば、1,300円! すなわち、日本の標準的な保険料水準の5分の1以下ということになるのです。払込総額で言うと、わずか80万円程度です。英国でも、ほぼ同水準です。

   皆さんは、このような事実を知っていましたか? 生命保険は、銀行預金や株式などと同じ金融商品であり、当然ながら基本的な知識や調査にかける努力が如実に成果に現われるものです。実際、わが国でも、ほぼ同等の保障内容でも保険料の差が2倍もある商品が存在します。

   生命保険が一人前の社会人にとって不可欠なものであることを理解し、同時に上手に探すことでもっとも高いリターンを上げて、浮いたお金を自分への投資や貯蓄、食事や旅行など、有意義な使い方をしたいものです。

岩瀬 大輔

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岩瀬大輔(いわせ・だいすけ)
ライフネット生命保険・代表取締役副社長。1976年生まれ。幼少期をイギリスで過ごしたのち、開成高校を経て、東京大学法学部卒業。在学中に司法試験合格。ボストン・コンサルティング・グループ、リップルウッド・ホールディングスを経て、ハーバード経営大学院(HBS)に留学。日本人で4人目となる上位5%の優秀な成績(ベイカー・スカラー)を修めた。帰国後、元日本生命の出口治明氏と二人三脚で、今までの常識を打ち破る新しい生保会社「ライフネット生命保険」を立ち上げ、2008年5月に営業を開始した。近著に『東大×ハーバードの岩瀬式!加速勉強法 』(大和書房)、『超凡思考』(幻冬舎、伊藤真氏との共著)。
「生活者にとって便利でわかりやすく、高品質な生命保険サービスを提供する」という理念のもと、インターネットを主要チャネルとして、新しい生命保険を販売している。既存の保険会社に頼らない「独立系の生命保険会社」として戦後初めて免許を取得し、2008年5月に営業を開始。業界のタブーとされた「保険料の原価」を開示するなど新しい試みに挑戦している。
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