2024年 4月 19日 (金)

長野県庁「お酌禁止令」ってどう思う? ネットユーザーに聞く

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   長野県庁で職員に対して呼びかけられた「お酌禁止令」。若手や女性職員からは歓迎の声が上がっているという。この現象をネットユーザーはどう見ているのか問いかけたところ、「職場のコミュニケーション」に絡めた賛否両論の意見が寄せられた。

お酌から解放された若手や女性からは「好評」との声

「最近はお酌を嫌う若者も多い」という発言がきっかけ
「最近はお酌を嫌う若者も多い」という発言がきっかけ

   「お酌禁止令」は、長野県副知事の板倉敏和氏の発案。2009年6月6日付のasahi.comで「長野県職員の宴会『お酌禁止令』 副知事が音頭、大歓迎」と報じられた。きっかけは、県内の日本酒の蔵元の若い経営者から「最近はお酌を嫌う若者も多い」と聞いた副知事が、年度替わりの幹部送迎会で「(長野県職員は、酒宴では)手酌で自分のペースで飲みましょう」と呼びかけたことだという。

   この呼びかけを厳格に適用すると、長野県職員は職場の懇親会などで、他の人のコップや杯にお酒を注ぐことはできなくなるが、この「お酌禁止令」、若手や女性からは「気を使わなくて済む」「自分のペースで飲める」と好評なのだという。

   この禁止令に異論を述べたのが、『サンデー毎日』09年7月12日号に掲載された岩見隆夫氏のコラム。朝日新聞の報道を踏まえ、「長野の『お酌禁止令』、おかしい」と題して、

日本人が長年、慣習として繰り返してきたことを、若者への甘い態度だけで軽々に禁止しないほうがいい。私なんか、夜ごと、だれかにお酌している。お酌してもらってもいる。生活の一部なのだ。何ごとによらず、禁止はよくない。

と疑問を呈している。

「自分のペースで」vs.「貴重なコミュニケーションの機会」

   そこで、ライブドアブログの利用者に向けて「『お酌禁止令』をどう思いますか」というお題を出したところ、5日間で250件を超える投稿があった。その内訳は、「禁止令を出すほどでもない」が35%、「禁止令に賛成」が30%、「禁止令に反対」25%、「どちらでもよい」が10%となった。

   まず、「禁止令に賛成」派では、「自分のペースで飲むのが好き」「飲まないのにお酌を強要されるのが嫌い」という意見が多かった。

「それぞれのペースでお酒を飲み、みなが楽しめる場を作る、ということを考えていれば、お酌なんてものが介在する余地なんてあろうはずもない。・・・私が嫌なのは、他者のペースで飲まされること。そしてお酌は、そのことをしばしば助長するということです」(活動報告)

   一方、「禁止令に反対」派は、「お酌は貴重なコミュニケーションの機会」と主張している。

「会社からの慰安会で社長さんに、お酌されたのにはとても恐縮と嬉しいものがありました。・・・慰安会の席だからできる事で仕事を離れた優しいふれあいでしたよ!うちの社長さんのような心使いでしたら良かったのにね」(こんな相談がありました)

   ただ、お酌を通じたコミュニケーションのとり方については、「飲め飲め」一辺倒では駄目だという指摘があった。

「『あ、この人は呑めないんだった』『あ、この人はマイペース主張派』『あ、この人はお酌されたい人』こういう風に人のクセやら、好みを知るってことは、コミュニケーションをとる上で必要だと思う」(No Damage@ウタレヅヨイオンナ)

   もっとも、一番多かったのは「禁止するまでもない」という意見。

「日本人って、何か規則を決めてもらうことって大好きなようですよね。人に決めてもらった規則に従えばそれでよし。そんな風潮がどんどん広がっているような気がします。もっと、自分の頭で考えましょうよ」(タイで思う。)

「お酌の習慣は欧米にはない」は誤解?海外からの投稿も

   ただ、禁止令があった背景には、何らかの問題状況があったのではないかという見方も。例えば、若手や女性職員だけにお酌を強要していたのなら、「セクハラでありパワハラだ」といわれるかもしれない。「コミュニケーションを活性化する」という意見にも説得力がなくなるだろう。

「一番ご遠慮したかったのが「お酌だけ」求めてくる人。女性社員を見たらお猪口だけスッと出してくる。注げ、みたいな。接待してるわけじゃなく職場の宴会なのに、ただのウェイトレスみたい」(BLUE BIRD)

   また「お酌の習慣は欧米にはない」という副知事の指摘には、異論が出ている。東欧の独立国モルドバの場合、酒宴の出席者は、お互いに「お酌」することも「手酌」することもないが、ホストがゲスト全員に対してお酌をする習慣があるそうだ。

「(お酌とは)お祝いに駆けつけてくれた人々へのお礼の気持ちの表れであり、万一相手が手酌をするようなことになれば、本当に失礼をした事になるのである。・・・つまりモルドバではお酌は目上の人に敬意を払う為ではなく、年齢に関係なく人に礼を尽くす為に行われる行為なのである」(モルドバ奮闘記)

   また、カナダでも「お酌」は「普通にします」とのこと。

「ですが、日本の場合は『お酌』に、『目上の人に対して』という意味合いがくっついてきますね。・・・日本の上下関係は、上から強制される形で存在する場合がすごく多いと私は思います。だからこそ、下にとっての負担にもなるし、上にとってのフラストレーション、不満の元にもなります」(いつものこと)

   結局、相手に対しての好意、思いやり、尊敬の念がなければ、酒宴でのコミュニケーションもつまらないものになるということだろう。「日本特有の文化だから大切」に、ということばかりでは解決しなさそうだ。

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