「コマネチ」ハラスメントと日本型雇用
2009/11/11 00:24
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オヤジイズムが組織に「沈殿」する年功序列
ギャップは、たまにメディアにも顔を出す。渡辺淳一の連載が大好きな日経新聞が代表だ。
主人公のオヤジが不倫で大活躍するストーリーで、まさに中高年ホワイトカラー向けのヒロイックファンタジーなのだけど、日経新聞の中でいつもあそこだけ濃厚なオヤジ臭が立ち込めていた気がする。
要するに、ニュースは新鮮でも、作っている側も読んでいる側もオヤジが主役だということだ。
そういう古い価値観がいつまでも上書きされず、組織の上部に深く「沈殿」してしまうというのも、年功序列の一つの面である。
日本企業におけるセクハラ、パワハラには、たいていはそういうオヤジイズムがどこかしら感じられるものだ。“コマネチ”という20年以上昔のしょうもないギャグを強要する部長さんからは、日本がなかなか変われない構図がぼんやりと見えてくる。
城 繁幸