2024年 4月 20日 (土)

【世界一蹴】南アW杯「抽選会」前夜 「現地観戦」は安全に楽しめそうか?

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   サッカーを中心とした世界各国の文化を紹介してきた「世界一蹴の旅」。2010年サッカーW杯の「組み合わせ抽選会」(ファイナルドロー)直前の模様と、「現地観戦」するための楽しみ方を、ケープタウン滞在中のアシシ氏に伝えてもらう。「世界最恐!? コンフェデ杯で垣間見た『南アフリカ』の意外な実情」に続く南ア・レポート第2弾。

>>「世界一蹴の旅 ~ワールドカップ出場32ヶ国周遊~」・記事一覧

3度目の訪問で「第二の故郷」に帰ってきたかのよう

ガーナのサッカー協会では留学経験のある日本語ペラペラの理事に出会った
ガーナのサッカー協会では留学経験のある日本語ペラペラの理事に出会った

   “人生の休暇”を1年もらって世界を旅するアシシです。いま僕らは、アフリカ大陸の南端、喜望峰で有名なケープタウンに滞在している。「最終ゴール」を南アフリカに置いて09年6月に日本を発った「世界一蹴の旅」だったが、旅の途中で軌道修正を何度も行い、すでに3度目の南ア訪問となる。

   6月のコンフェデ杯、11月の対日本代表の親善試合に続く今回の目当ては「ファイナルドロー」。世界中のサッカーファンが息を飲む瞬間を、パブリックビューイングの会場で体感することが目的である。現地時間の12月4日午後7時、日本時間の5日午前2時ごろから始まる予定だ。

   11月30日に西アフリカのW杯出場国、コートジボアールガーナを訪れた後、南アフリカの玄関口、ヨハネスブルクのO.R.タンボ国際空港に降り立った。初めてきた時は入国審査を通過後に、手提げかばんや強盗対策のニセ財布を何度も確認して、客引きのタクシー運転手も相手にせず緊張してホテルへ向かった記憶がある。

   それに比べると3度目の今回は、「第二の故郷」に帰ってきたような感覚で、リラックスして空港の到着ゲートをくぐった。南アの治安の実情を、自分なりに体感できていることが大きい。

「警戒すべき場所」と「しすぎる必要がない場所」がある


南ア・エリスパークスタジアムからの帰り方(YouTube)

   南アの旅を思う存分に楽しむには、「警戒すべき場所」と「警戒しすぎる必要がない場所」を理解することが重要だ。そして安全確保の事前準備や、移動手段と宿泊場所の計画を入念に行えば、部屋に閉じこもっている必要はない。

   11月14日の対日本代表の親善試合は、南ア国内でも比較的治安が良いといわれる観光地、ポートエリザベスで開催された。それでも、宿泊したB&B(朝食付き簡易宿)のオーナーは、「この通りより西側には昼でも行くな」「ショッピングモールまでなら夜歩いても大丈夫。ただし必ず複数で」などと、地図に書き込んで注意してくれた。

   おかげで、試合当日に掲げるゲートフラッグの資材を買い付けにいくことができたし、夕飯を食べた後、インド洋から吹き付ける気持ちのよい潮風に当たりながら、ほろ酔い気分で帰路につくこともできた。

   こう書くと、いかにも南アは安全なように見えるが、「警戒すべき場所」ではそうはいかない。6月のコンフェデ杯で「サバンナより危険」と噂のヨハネスブルクのダウンタウンにあるエリスパークスタジアムで、対ブラジル戦を観戦したときのこと。キックオフは20時半。試合が終わりスタジアムを出るころには23時近くになった。

   かくして「世界最恐」の都市を深夜に徒歩で帰ることになったわけだが、その模様を決死の覚悟で撮影してYouTubeに上げた。この危険地帯でカメラなどの金目のものを持ち歩くことは自殺行為。日本人サポーターに現地の空気を伝えるために敢行したが、読者のみなさんは真似しない方がいい。

W杯の成功はサポーターの「危機管理能力」に掛かっている

ケープタウンの空港の荷物受取所にも「ファイナルドロー」の看板が
ケープタウンの空港の荷物受取所にも「ファイナルドロー」の看板が

   動画でも分かるように、スタジアム周辺の半径2~3㎞は、警察が厳重警備するエリアとして一般車両の入場規制が行われている。したがって、帰りは事前に予約しておいたタクシー運転手と携帯電話で連絡を取り合いながら、規制エリアの外で待ち合わせをする必要があるのだが、これには本当に骨が折れた。道を迷ったりタクシー運転手と連絡がつかなかったりしたらと考えると、ぞっとする。

   ということで、経験者の僕らでも「警戒すべき場所」では手も足も出ない。そこでW杯開催期間中は、自前でレンタカーを確保することにした。どこの会場も近郊の空き地を使って公式のパーキングエリアを設置し、そこからシャトルバスでスタジアムに向かうことができる予定だ。

   事前の情報収集と英語力(南アの公用語は英語)に自信がない人や、異国での運転が不安な人は、旅行代理店が主催するパッケージツアーに参加して、ホテルからスタジアムまでオフィシャル大型バスで移動するのがよい。

   ただ、繰り返すが、南アといえども全ての場所が危険なわけではない。現地の善良な市民が日常生活を安全に営むエリアが、それぞれの街に必ずある。治安に対する正しい認識と緻密な旅程計画を持った上で訪れれば、犯罪に巻き込まれることなく、きっと安全にW杯を楽しむことができるだろう。

   その意味でW杯の成功は、現地を訪れるサポーターの「危機管理能力」に掛かっている。日本の感覚では信じられない部分もあるだろうけど、旅をしていると「これも世界なんだ!」と思えてくる。さて、日本代表の運命が決まるファイナルドロー、どんな結果となるだろうか。固唾を飲んで見守ろうと思う。

アシシ@ケープタウン
※南アの現地情報をもっと知りたい方は、アシシが現地からほぼ毎日更新している「世界一蹴の旅」ブログをご覧ください。

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サッカー日本代表が出場する国際大会に毎年参加するコアサポーター(写真左)。本名、村上敦伺(あつし)。1977年生まれ、札幌市出身。職業はフリーランスの経営コンサルタント。元同僚の四方健太郎(写真右)とともにサッカー南アW杯出場32か国を2年間かけて訪問し、『世界一蹴の旅』(双葉社刊)を上梓。「半年仕事・半年旅人」のライフスタイルを2006年から継続中。ツイッター @4JPN
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