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「会社名を間違えそうになった・・・」派遣社員のダブルワーク事情

   複数の勤務先で働く「ダブルワーク」。派遣社員を対象とした調査によると、実際にダブルワークを行ったことのある人が6割を超え、意外と多くの人が副業をしているようだ。回答者からはダブルワークによって収入増以外に、キャリアアップにつながったという声も聞かれる。

「職務経歴書に書くことが2倍に増えた」

副業未経験者も約8割が「やってみたい」
副業未経験者も約8割が「やってみたい」

   求人求職マッチングサイト「派遣@ばる」を運営するアイルは2010年1月7日、派遣社員の「ダブルワーク」の実態に関するアンケート結果を発表した。調査対象は「派遣@ばる」の登録会員で、回答者数は246人。

   それによると、派遣で働いたり、派遣の仕事を探したりした経験のある回答者のうち、「ダブルワーク」の経験者が64%に上り、未経験者も約8割が「やってみたい」と答えている。

   ダブルワークをするに至った理由は、「収入を得たいから」が最も多く68%。不況下での収入減を反映している。2位は「空いている時間を有効活用したいから」で、「スキルアップ・キャリアアップをしたいから」「気分転換をしたいから」という回答もあった。

   回答者からは、「残業ができなくなり、やむなく」という声のほか、

「年齢的に今の仕事をいつまでも続けられないと考えていた。新しい仕事を並行して経験できたので、職務経歴書に書くことが2倍に増えた」
「以前から挑戦したい仕事だったが、面接で落ちてしまった。短期で募集していたので応募して、働くことができた」

など、ダブルワークが自分のキャリアアップにつながっているというコメントも見られた。

「短期のデータ入力」や「通販の電話受付」などが人気に

   副業の働き方について経験者に聞いたところ、「本業が休みの日に、他の短期・単発の仕事で」と答えた人が38%で最多に。「本業の前後」に「他の短期・単発の仕事で」「他の長期の仕事で」と答えた人も、それぞれ18%、17%あった。

   一方、未経験者の中には「本業の仕事の他に、在宅の仕事をする」と希望する人が17%いたが、経験者では5%。在宅の仕事が少ないか、働き方が厳しいなど、簡単にはいかない事情があるようだ。

   ダブルワークの「失敗談」を聞いたところ、「繁忙期が重なって身体を壊しそうになった」という声のほかに、

「電話に出るとき、会社名を間違わないように一度頭の中で考えてから出るので、タイミングが少し遅れてしまう」
「急に1時間の残業を余儀なくされて、もう一方の勤め先に遅刻してしまった」
「勤め先間の移動のための交通費がかかり、1日の手取りが千円くらいになってしまった」

など、実際にやってみて思わぬ壁に当たったというコメントもあった。

   また、おすすめのダブルワーク先としては、お中元・お歳暮の時期に募集がかかる「データ入力」や、官公庁が年数回募集する「書類送付」、穏やかな客が多いという「通販・旅行の電話受付」、土日だけ働ける結婚式の「アテンダント」(新婦の付き添い)や「ショールーム受付」などが挙げられた。この他、

「まかない付きの飲食店なら食費が浮く」
「病院関係の仕事は土日と祝日が休みなので、ダブルワークしやすい」
「大量募集の文字を見たら、よほど合わない仕事以外は申し込んでおくべき」

など、経験者ならではのノウハウを感じさせるコメントもあった。