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上司に「帰れ!」と言われたら素直に帰るべきか

   会社で上司に「帰れ」と言われたら、どうすべきなのか。ネット上で議論が行われている。きっかけは、日経PCオンラインに掲載された記事。遅刻した部下を「お前、帰れ!」と叱ったら、黙って本当に帰るヤツがいると嘆く上司の話が書かれている。

部下の疑問「やる気ないなら帰れ、なら分かるけど」

   上司の言い分は、「間髪要れず、『申し訳ありません、事故で電車が遅れてしまいました』と謝意を告げられるようなら、彼は許される」「自分の非を素直に認めないんだから、どうなってるんだ最近の学校教育は」というものだ。

   ネット上には、この上司に賛同を示すコメントが寄せられている。

「この『帰れ』は、帰宅しなさいという命令ではなく、『キチンと謝罪してもう遅刻しないように』って意味だろう」
「ゆとりは、言葉をそのまま受け取る事しか出来ないから困る。空気が読めない」

   一方で部下の立場から、上司の言い分は理解できないというコメントも少なくない。

「帰ってほしくないのに、帰れって言うのも変な話だよな」
「『許してくださ~い!』ってすがりついて欲しいわけで」
「恋の駆け引きでもしてるの?」
「自分の言ったことに責任もてよ、おっさん」

   確かに、遅刻の理由も聞かずに、いきなり「帰れ」というのも理不尽だ。また、「やる気がないなら帰れ!」や「遅刻するんじゃないぞ!」という言い方ならば、黙って帰ることはないという人も見られた。

上司は「怒る」のではなく「叱る」べき

   行動科学マネジメント研究所の石田淳所長は『上司のための戦略的ほめ方・叱り方』(宝島社新書)の中で、上司は感情に任せて「怒る」のではなく、誤った行動や改善すべき点を指摘し、解決策を示して「叱る」ことが必要だと説く。

   本人が起こった「結果」を理解していない場合を除けば、いくら大声で指摘されても得るものはない。結果ではなく、問題のあった「行動」を叱れということだ。これに習えば、今回であれば、

上司「遅刻の理由は?」
部下「○○線が事故で電車が遅れました」
上司「その路線は事故をよく起こすだろ? 明日から10分前の電車に乗ってこい」

というやりとりではどうだろうか。

   ただ、現実には落ち着いた上司ばかりではなく「そんな言い訳が通じるか!」と逆上する人もいるかもしれない。部下としては、不運と割り切って「申し訳ありませんでした」と、その場を切り抜ける方法も用意しておいた方がよいだろう。