2024年 4月 21日 (日)

稼げるリーダーは組織をイキイキさせる方法を考える

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   社会の変化によって、かつてうまく行っていたビジネスや仕事のしくみが、どの会社でも行き詰まりをみせています。目の前に現れた問題に対して、いくら合理的に対策を打ったつもりでも、次から次へと問題が生まれ、悪循環に陥るところも少なくありません。

   あなたの職場でも同じことが起きているとしたら、問題解決を先導しているリーダーのふるいやり方が、組織の活性度を削いでいるからなのかもしれません。いま稼げるリーダーに求められているのは、さまざまな問題を解決できる新しい取組みを先導し、組織をイキイキとさせることです。

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仕事のプロセスに気を配っているか

他人から見られていると気づくだけで変わる
他人から見られていると気づくだけで変わる

   組織の活性度を上げられるリーダーは、部下に新しい取組みをトライさせる人です。そして、目的と方向性がしっかりしていれば、すぐに結果がでなくても真剣な仕事ぶりを温かく見守ることができます。

   その一方で、できる限りのことをした上で、タイミングの悪さななどから、このまま続けても実がならなそうであれば、しがらみを排して撤退を宣言できる人です。もちろん、撤退に関わる人たちへのフォローも重要です。

   いずれの場合も、リーダー自身のビジョンと照らし合わせて判断することと、メンバーが行う仕事のプロセスをよく観察することの両方がポイントです。

   また、会社には縁の下の力持ち的な仕事や、地味でストレスのたまる仕事もあり、そのような仕事をきちんと繰り返すことで維持されています。商売は「飽(あ)きない」といわれるゆえんです。

   実はこのような仕事においても、職場のリーダーは部下が行っている仕事のプロセスを丁寧に観察し、感動や刺激を提供できることが大切なのです。

   私は若手社員のころに、上司から「幸せの基準を小さく持ちなさい」と何回も言われました。日々の仕事で起こる「小さな喜び」をおろそかにしないことの大切さを教えてくれた言葉です。

   日々の仕事を通じて小さな幸せを感じ取ることができれば、メンバーはイキイキと仕事をすることができます。無理に派手なパフォーマンスをするのではなく、社員目線で「うれしい」を仕掛ければ、人と組織をイキイキと変えていけるのです。

「ありがとう活動」で業務の質が上がった

   小さな幸せを感じることのできる職場は、コミュニケーションが盛んです。具体的には、お互いを思いやり、信頼感を伝え、前向きに行動させる「言葉」のやり取りが大切です。

   先日訪問したコールセンターでは、業務の質や職場定着率の課題を抱えながら、「ありがとう活動」という取組みを行っていました。同僚に対し「ありがとう」と思ったのに、仕事の中で伝えられなかったことをカードに書いて、社内の掲示板に貼り出してみよう、という試みです。

   自分に何かしてくれたというだけでなく、組織に貢献する「いい仕事」を見逃さずに、評価を伝えることができれば、

「周囲は自分の仕事を見てくれているのだ」

と緊張感とやりがいが生まれます。

   初めは貼られるカードが少なかったようですが、先輩社員が率先して後輩の仕事を評価したり、「指摘ありがとう」「気配りありがとう」と書いたりしたことで、いまでは感謝の言葉がびっしり埋まっていました。

   リーダーはカードだけでなく、ミーティングの場などで、「昨日の会議の○○さんの議事録は、とてもよくできていた。大したものだ」と直接ほめているそうです。

   コールセンターは非常に強いストレスを受けることもある職場ですが、お互いの仕事に注目して感謝し、「小さな幸せ」を与え合う風土を醸成していました。この取組みのおかげか、仕事の質も職場定着率も上がってきたということでした。

   単調に見える仕事でも、リーダーが率先して仕事ぶりに注目することで、メンバーをイキイキと変えることができるよい例だと思います。ただし変化をもたらすためには繰り返し、継続的に一過性にならない行動が必要で、多少は時間がかかることを覚悟しましょう。

高城幸司

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高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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