J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

2010年の新入社員が「我慢して仕事続ける」理由

   日本生産性本部は2010年度の新入社員に対し、入社半年後の意識調査を実施して317人から回答を得た。それによると、自分のキャリアプランに反する仕事を「我慢して続けるのは無意味か」という問いに「そう思わない」と答えた人は74.4%。4年前の設問開始以来、過去最高となった。

消去法?「起業やフリーターはイヤ」

本当に我慢強いのか、実はそうでもないのか
本当に我慢強いのか、実はそうでもないのか

   また、将来の自分のキャリアプランを考える上で、

「社内で出世するより自分で起業して独立したいか」
「若いうちならフリーアルバイターの生活を送るのも悪くないか」

といった問いに「そう思わない」と答えた人も、秋の調査では過去最高(それぞれ83.4%、75.4%)となったという。

   総合すると、起業やフリーターではなく、せっかく採用してもらった会社でしばらく我慢してやっていこうという志向が強く表れているといえる。不況下で少しでも安定的な生活を選択しようと考えれば、合理的ともいえる結果だ。

   確かに「キャリアプランに反する」といっても、入社半年で将来進みたい道が明確になっている人が多いとは限らないし、どんな仕事にも将来につながる芽があるという考え方もできる。

   しかし、ネット上の「先輩」たちからは、会社に隷属するような考え方に懸念を示す声も上がっている。

「社畜のみなさん、地獄へようこそ」 「俺は我慢しない」
「悪いことは云わん、やめとけ。精神を病むぞ」

   これに対して「嫌なことするから金もらえるんだろ」と反論する人もいる。また、「仕事の内容」より「職場の人間関係」を重視したほうがいいという意見も目に付く。

「鮮魚コーナーのにおいみたいなのが嫌というのは、働き出せば1週間で慣れる。職場の人間関係がクズ過ぎて嫌というのは、下手したら精神を病む」

人間関係の良さに甘んじるリスクもある

   調査では「職場の人間関係の良さ」について、「期待以上」とする回答が4年間で最高(46.0%)となり、「期待通り」とする回答を合わせると91.4%にものぼっている。人間関係のよさが、「仕事を我慢して続けていこう」という気にさせているのかもしれない。

「(先輩や上司にあたる)バブル世代は団塊より穏やかで、ポスト団塊より性格素直だから」
「社会人7年目の俺の感想を言えば、嫌な仕事でも上司や同僚に恵まれればなんとかなってしまう」

   一方で「将来に繋がらない会社なら、一秒でも早く辞めた方がいい」と、大勢に従ってはいけないと警鐘を鳴らす人も。調査結果でも、自分のキャリアプランに反する仕事を我慢するのは「無意味」と答えた人が25.6%と、少数派ながら4人に1人いる。

   そもそも、入社半年の新人に質問しても無意味だという意見も。

「こいつら、『嫌な仕事』がどういうもんか、まだわかってないからなwww」

   違法な仕事に加担したり、横暴な先輩や上司に耐えて仕事を続けたりすることは、お勧めできない。しかし、なんとなく居心地がいいから嫌々でもやっていればいいという考えのままでは、ゆくゆくは顧客や取引先に呆れられるし、将来の自分のキャリアを考えるとリスクが高い気もする。