2020年 1月 18日 (土)

1か月足らずで辞めた営業マンに「手当て」の支給は必要か

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   職場の仕事が順調に回っていると、「どの社員がいつ辞めるか分からない」ということを忘れがち。さまざまな可能性に想像を巡らせて、対策をとっておくべきだろう。ある会社では、期待して採用した人が突然退職し、担当者が混乱している。

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働いていない「みなし残業代」払いたくない

――中堅旅行代理店の総務担当です。先日、中途退職で入社した営業マンのAさんが退職しました。
   大手同業他社から転職してきて、わずか1か月足らず。入社したその月のうちに「一身上の都合」で辞めるというスピード退職でした。
   退職後、数日して、Aさんの上司であるB部長が浮かない顔をしてやってきました。

「Aさんから電話があってさ。手当ての支払いはないのか、だって」
   当社では営業職において「事業場外労働のみなし労働時間制」を採用しており、みなし残業手当として月に30時間分を基本給に上乗せしています。
   また、通勤手当は、半年分の定期代を初月に支払うことになっています。
   しかし、あまりにも早く辞めてしまったので、いずれの手当ても支払っていません。社長も「とりあえず基本給を日割りしておけば文句ないよな」と呆れた顔で言うので、それだけは振り込んでいます。
   B部長は、
「みなし残業は1日90分でカウントしてるけど、ほとんどやってないんだから上乗せしなくていいよ。通勤手当だって、せいぜい規定の半年分を6等分すればいいんじゃないの」
と言います。
   人騒がせなAさんに対する憤りは理解できますし、社長も怒っているのでB部長の言うとおりにしてしまおうかとも思いますが、後から揉めるのも困ります。こういうとき、どうしたものでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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