2019年 11月 15日 (金)

「天下り」は永遠に不滅です

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   原発事故の影響もあってか、今になって電力会社と霞が関の不透明な関係がクローズアップされている。経産省の発表によれば、過去50年で68人もの経産官僚が全国の電力系会社に天下っているそうだ。

   両者の癒着が安全管理に何らかの影響を及ぼしたかどうか、現時点ではまだ何とも言えないが、国民の間に天下り規制を求める声が高まるのは間違いないだろう。

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「流動的な労働市場政策」セットにできるか

   ただ、夢を壊すようで悪いが、この国から天下りがなくなることはないだろう。というのも、天下りは終身雇用と表裏一体のものなので、終身雇用にメスを入れない限り、なくすことはできないからだ。

   今のところ国民の多数派はその気がないわけで、だから天下りは今後も安泰だろう…。なんて話はいつもしているので、たまにはOBの話でも引用しておこう。元大蔵官僚の榊原英資氏の言葉である。

――「天下り根絶」は、また、実現不可能かつ、意味のない政策である。「天下り」という言葉を再就職と置き換えてみると、この点がはっきりする。日本の大組織の場合、民間でも官庁でも終身雇用、年功序列が人事の基本になっている。(中略)多くの人たちが50歳前後から関連組織に出ることによって、年功序列を維持しながら、人事がまわっていく訳である。こうした慣行を、官庁の場合だけ「天下り」といって非難する理由は見あたらない――

(榊原英資『公務員バッシングの愚』2011年3月28日WEBRONZAより)

   国際競争にさらされる民間企業の日本型雇用は、海外流出と非正規雇用置き換えでどんどん希薄化し、終身雇用も年功序列も減っていくだろうが、官についてはそういった心配は一切ないわけで、下手をすると永遠に残り続けるかもしれない。

   「無理やりにでも天下りを厳禁すればいいじゃないか」と素朴に考える人もいるだろう。でもそんなことやったら、マトモな人材は誰も官僚なんてならないだろうし、そうなったら彼らに政策を作ってもらっている政治家も困るので、強行突破は実現不可能だ。

   要するに、天下りせずとも報われるようになる「流動的な労働市場政策」もセットにしない限り、天下りは絶対になくならないということだ。

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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