2020年 2月 21日 (金)

米MITが大きな成果を上げている3つの理由

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「自由な精神を尊ぶ風土」に日米の違い

   2つめは、いろんな分野の専門家が互いに交流し、協同で作業していること。今は専門が細分化しているため、研究者はタコツボに入り込むように自分の世界に閉じこもる傾向にある。それが必要な場面ももちろんあるが、一見何の関係もなさそうな分野の専門家たちが集うことで、思いもかけぬ成果が生まれることも多いという。

   3つめは、すぐに役には立ちそうにないことでも取り組むことが許される、財政的・精神的余裕を持っていること。「知識は有用でなければならない」としても、真に画期的なアイデアは実用化するまでに長い期間が必要になる場合が多い。MITは官民の資金をうまく活用して、必要な金と労力を使える環境を構築した。

   このほか、科学技術系専攻が全体の85%を占めるMITでは、その多くはオタクの男子学生――と想像しがちであるが、実は学生の男女比はほぼ半々だという。現学長のスーザン・ホックフィールドも女性である。

   米国の大学を手放しで礼賛するつもりはない。こと理系に関しては、日本の大学だって捨てたものではないと思う。東工大や東大などの大学の研究者は、やる気や能力でMITに引けをとることは決してないと信じる。

   しかし、人的多様性、自由な精神を尊ぶ風土、さらには設備や資金といった要素が研究結果の差になっているとすれば、残念なことだ。我々は、日本の大学教育についてもう一度考え直してみるべきだろう。教育こそが次の世代にしてあげられる、最高の贈り物なのだから。

小田切 尚登

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小田切尚登
経済アナリスト。明治大学グローバル研究大学院兼任講師。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバ等の外資系金融機関で株式アナリスト、投資銀行部門などを歴任した。近著に『欧米沈没』(マイナビ新書)
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