2019年 11月 20日 (水)

日本はとても暮らしやすく魅力的な国なので、海外に行く必要なんてない

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   最近、「このまま日本が停滞し続ければ、金持ちは外国に逃げるんじゃないか」とか「優秀者は海外で勝負するしかない」という意見を耳にすることがある。確かに、世代間格差とか一向に進まない構造改革なんかを見ていると、日本の展望は決して明るくはないように思える。

   ただ、個人的には、彼らが海外に逃げ出す可能性は、現状では非常に少ないと思う。理由は簡単。彼らエリートにとって、日本はとっても暮らしやすい国だからだ。

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税金は安いし、雇用は定年まで保証される

   たとえば大手企業に勤める30代、専業主婦の妻と小学生の子供1人を持つ年収800万円の正社員・鈴木さんがいたとする。給与所得控除200万円に、配偶者控除、扶養控除、基礎控除で114万円、社会保険料で80万円強が控除されるから、実際の課税ベースとなる所得は400万円を切るはず。

   この金額なら所得税率は20%で、所得税+住民税で約77万円。年収の10%以下だから、はっきりいって先進国の中でもかなり安い方だ(子ども手当含まず)。

   ついでに、鈴木さんは昨年、ローンで5000万円を借りつつマイホームを購入していたとしよう。09年より住宅ローン減税が実施されているから、2010年までにマイホーム購入して入居した人であれば、年度末ローン残高の1%、最大年50万円の税額控除を10年間に渡って受けられる。“所得”ではなく“税額”控除なので、上記の所得税77万円から約50万円を引いた27万円が最終的な税金となる。

   賃金が下がることもなくクビになることもなく、5000万円でローンを組めるほど豊かな鈴木さんに課せられる税金が、年収のたった3.3%である。有り難いことに、消費税も先進国随一の安さだ。

   はっきり言うと、(所得税率の跳ね上がる)超高給取りではないけれどある程度の収入が保証された人間にとって、日本はとても美味しい国である。

   読者の中には、そんなに税金の安い小さな政府で大丈夫なの?と思う人もいるかもしれない。でも心配はご無用!

   「定年まで雇用してあげなさい」という具合に、国が民間企業に社会保障をアウトソースしてくれているからだ。だから、僕の大学時代の友人たちの多くはみな、キャリアアップとか格差社会なんてキーワードは気にすることなく、平和で満ち足りた人生をだらだらと過ごしている。

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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