2019年 12月 15日 (日)

日本人は長時間働きすぎるから幸せになれない

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時短を進めても経済にさほど影響ない?

   まず、じっくりと物事を考える時間がとれなくなると、新鮮な発想やイノベーションは生まれにくく勉強時間もとれない。働き過ぎは健康に悪く、ストレスを生む。日本人が幸福を感じることが少ない理由の一つは、長時間勤務にあるのかもしれない。

   長時間勤務のために多くの人(特に男性)が家事を顧みなくなり、子育てなどに時間を割かないのが当然になっている。実はこれが少子化の遠因なのかもしれない。

   1人がやたらと仕事を抱えることで、他の人に仕事が回らなくなる。社会全体でみると失業率悪化の原因の一つになっているのではないか。休暇が少ないと個人がカネを使うチャンスが減り、景気にマイナスとなることも考えられる。

   日本人は時短をすすめるべきだと思う。休みを多くとると経済活動にはマイナスに作用するが、一方でリフレッシュされることで仕事の効率がアップし、生産性が向上することが見込まれる。トータルでは経済にさほど悪影響はないように思える。

   日本人はもともと能力が高い国民だ。まじめで器用で勤労意欲が高い。十分な休暇を取って効率よく働けば、今の停滞する経済に活力が生まれるだろう。

   ちなみに私は今までに米独英仏の4か国の金融機関で勤務したが、働き方について国籍の違いはそんなに感じなかった。これは、グローバルの金融市場でまったく同じ条件で戦っていること、自営業のように結果を残した分だけ収入がとれること、若い時に頑張って早くリタイアしたいと皆が思っていること等によるものと思われる。この点は金融業の特殊性もあるかもしれない。

   今、サルコジ仏大統領はリビエラで、メルケル独首相はイタリア・アルプスで休暇中だ。暑い夏は無理せず十分に英気を養う、というのは正しい戦略だと思う。

小田切 尚登

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小田切尚登
経済アナリスト。明治大学グローバル研究大学院兼任講師。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバ等の外資系金融機関で株式アナリスト、投資銀行部門などを歴任した。近著に『欧米沈没』(マイナビ新書)
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