2024年 4月 23日 (火)

ブラック企業経験者が語る「公務員転職のススメ」

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   仕事はキツイし休みもない。会社の経営は不安定で、いつ倒産するかリストラされるか分からない。こんなとき「公務員はいいなあ。給料そこそこもらえて仕事が楽で、安定していて…」と思ったことはないだろうか。

   2011年12月3日、ネット掲示板の2ちゃんねるに「ブラック企業から公務員に転職したけど質問ある?」というスレッドが立ち、ネットユーザーの質問に経験者が答えている。信憑性は明らかでないが、経験者でなければ知り得ない情報があるようにも読める。

仕事中に鼻血が出て「これはヤバイ」と決意

公務員は「勤務時間ほぼ半分、手取り変わらない」
公務員は「勤務時間ほぼ半分、手取り変わらない」

   スレッド主は現在33歳、東日本のとある政令指定市の土木職に勤めている。「偏差値45」の工業高校を卒業後、アルバイトをしていた会社にそのまま就職した。「職場に女子高生がわんさかいた」とあり、ファストフード店と推測される。

   バイト時代は優しかった先輩たちも、社員になってからは「オニ」に変わり、就業時間の9時~18時で終わったのは社員研修のときだけ。それから毎日15時間労働、残業代も出ず、月の休みは2、3日だけだったという。

   最も忙しかった頃には1週間、家に帰れないときもあった。休憩室で仮眠を取り、近くのマンガ喫茶でシャワーを浴びて毎日出勤。何もしていないのに仕事中に鼻血が出て「さすがにこれはヤバイ・・・」と思ったそうだ。

   副店長になったが、勤務時間が長い上に、売り上げがノルマに達しないとブロック会議で「つるし上げ」を食らう。立ち仕事なので疲労も大きい。

   そんな生活を7年ほど働き続けたある日、「明らかに使えない」同僚が公務員試験に合格したのを見て、自分にもできると考え退職。9時から17時までの勉強を毎日1年間続け、公務員試験に合格した。26歳のころだという。

   公務員になってよかった点は、

「勤務時間がほぼ半分になって、手取りが変わらないこと」

   一方で、前職は個人の裁量が大きくて仕事に面白みがあったが、いまは組織の歯車という感じであり「つまらぬ」と言い切っている。

   とはいえ、2日3日の徹夜続きは当たり前のだったブラック企業時代と比べれば、「改善点の方が圧倒的に大きい」。若いうちはいいかもしれないが、年を取って現場を続けるのは無理だったと振り返る。

住民からのクレームも「大したことない」

   残業は月10時間、繁忙期でも60時間ほど。残業代は全額支払われる。給料は額面で400万円くらいだが、金遣いの荒い方ではないので「別に今のままでもいい」「それより時間が大切」という。余暇はネットとスポーツに使う。いまは2児の父だ。

   仕事できついのは、交付した補助金による工事が適切に実行されているかどうかチェックする「検査」のとき。9時から22時までの仕事が続くこともあるが、前職ではそれが当たり前だったので、あまり気にならない。

   住民からの苦情も多いが、前職でもクレーマーはたくさん来ていたので「大したことはない」。ブラック企業での勤務経験は、意外と役に立っているようだ。

   ネットユーザーからは、公務員はさほど働かず給料をもらっているイメージがあるが、実際はどうかという質問が出た。スレ主は内部情報として、50代後半の世代に

「ぜんぜん働かないヒラでも年収が700~800万」

という層がおり、彼らは「確かに給与カットすべきだ」と指摘する。

   ただし、ここ10年間くらいに採用されている人は「優秀でやる気のある人が多い」そうだ。とはいえ、民間のように「新しいことにチャレンジしよう」というよりは、「与えられた仕事を粛々と迅速に行なおう」という人の割合が高いという。

   既卒でも「試験さえよくできていれば」公務員になれるので、

「ブラック(企業)にいる人はまじオススメなんだけどな」

と呼びかける。ブラック企業で働きながらお金を貯め、「こんな生活、もうイヤだ!」という怒りをモチベーションに変えられれば、意外と勉強も続けられるかもしれない。

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