J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

会社のカネで愛人を囲い、いばる部長が許せない

   精密機器メーカーの粉飾決算事件に関して、「内実を知る人たちが、もっと早く外に漏らせばよかったのに」という声が聞かれます。確かに不正に気づいた担当者が早めに社外に知らせれば、ここまで大きな問題にならなかったのかもしれません。

   ネット上には、社内不正に関する匿名の愚痴や相談が多く見られます。Q&AサイトのOKWaveにも、こんな書き込みがありました。ある会社で経理を担当しているtakeko333さんは、営業部長が提出する領収書の金額が繰り返し水増しされていることに気づきました。

資金源を止めて追いつめてやりたい

   鉄道で県外に出張し宿泊しているはずが、実際には社用車で県内に行っていたことを突き止めました。「ETC利用照会サービス」に社用車のナンバーなどを入れて確認したそうです。これで交通費と宿泊費を横領されました。

   愛人が経営するパブの領収書を持ってきて、「2次会代」として精算させられたこともありました。これは部長の出張中にパソコンを開き、メールを見て「犯行の証拠」を押さえています。愛人と一緒の写真もCD-ROMに落としました。

   明細部分が切り取られた領収書や、接待かどうか疑わしいゴルフ場の領収書、会社名ではない「○×会」と書かれた領収書を渡されたことも。部長も、質問者さんが怪しんでいることに、うすうす感づいているようです。

   不正を暴く目的とはいえ、自分も正当とはいえないことをしているので、どうにも強く出られません。しかし、会社の金で愛人を囲い、高額な飲み食いをしつつ、まるで自分がこの世を動かしているかのようにいばる傲慢な態度が悔しくてたまりません。

   どうにか追いつめたい。部長はものすごくケチなので、自分のお金は絶対に使おうとしない。きっと資金源を止めさえすれば、愛人から捨てられ、家族からも見切りをつけられ、孤独な老後を送るのではないか…。

「どうか今の私にもできる最善の策、お知恵をどうかお貸しください」

「見て見ぬふり」をやめると決めた理由

   自分の知らないところで、ここまで恨まれているのは恐ろしいことですが、なぜこんなにも怒っているのでしょうか。質問者さんによると、部長の横領は以前から行われていましたが、あえて関わりを持たないようにしてきたのだそうです。

「さわらぬ神に祟りなしと、見て見ぬふりをしておりました。弱い人間です」

   しかし、横領が年々ひどくなるのを見て、真面目に働いている部下たちが不憫だという気持ちが強くなり、考えを変えました。「やはり不正はいけません。頑張っている人間が馬鹿をみる時代はもう流行りませんね」

   回答者のsadami10さんも、経理担当者として幹部の不正に悩まされました。そこで、仕分伝票に「業務日誌」と「領収書」を糊付けしたり、乗車券を会社が購入して手渡したり、事前の計画を業務部長に提出させたりする改善策を実施しました。

   すると、不正がずいぶん減ったのだそうです。質問者さんの会社でも、甘いチェック体制が部長の不正を助長した面もあったのかもしれません。

   ある店の経理担当は、税務署から「あなたが発行した20万円の領収書はホンモノか」と照会を受けました。2万円のものだと正直に答えると、領収書を発行した相手から「20万円と言ってくれないかしら」とすぐに電話がかかってきました。

「そんなことを言うと私も同罪ですから、断りましたよ」

   なるほど、世の中は不正を見て見ぬふりをする人ばかりではないのですね。質問者さんも覚悟を決めたようで、「明日、証拠をまとめます」と宣言しています。