2019年 12月 8日 (日)

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臨床心理士・尾崎健一の視点
現場の管理職に任せていたら過重労働はなくならない

   今回のケースは、B課長がAさんを過重労働に追い込んだ、と言っていいでしょう。「パワハラだ」と訴える人もいるかもしれません。社員の管理は、いちばん身近にいる直属の上司がした方がよいといわれていますが、今回のケースでも分かるように、業務優先で部下の負担に無頓着、あるいは無理を平気でやらせる上司は少なくありません。業務の成果と健康管理という、時には相反する管理をしなければならない現実もあります。

   おそらくB課長だけに任せていては、Aさんの過重労働は解消されないでしょう。社員の健康管理は、本来管理職の役割でありますが、上記のような理由できちんと行われないこともあります。コンプライアンス違反を防ぐために、残業時間や出張の状況を人事がチェックし、特定の社員や部署に負担がかかりすぎている場合には、人事から注意を促すしくみを採用している会社もあります。ある時間を超えるとアラート機能が作動するシステムもあります。現場の仕事のしやすさを妨げない形で、人事が適切に介入するしくみを作るべきではないでしょうか。


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(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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