2019年 12月 16日 (月)

なぜ日本に「移民受け入れ」が避けられないのか

印刷
糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

「就職氷河期なのに」という指摘は当たらない

   移民受け入れの話には、さまざまな反論が予想される。他の方法もあるのではないか、治安が悪くなるおそれがあるなど。

「現在の20代は就職難で働き口に困っているのに、なぜ移民を受け入れて仕事をさせる必要があるのか」

という反論もあるかもしれない。

   しかし、「就職氷河期」と言われる現在であっても、現在の若者は必ずしも就職事情が悪くなったといえず、それに目を奪われて「人材不足」への手当てが行われないことの方が、国としてずっとリスクが高い、というのが私の考えだ。

   2011年の大卒求人は約58万人で、2012年は約56万人。22歳の人口は130万人程度なので、半数近くの若者が大卒相当の仕事を得られる状況となっている。

   一方、1995年から2005年のころを振り返ると、求人数は2011年・2012年と大差ないレベルだった(一番求人が少なかった1996年は39万人だった)。しかし22歳の人口は200万人から150万人と多かったので、2割から3割程度の若者しか大卒の仕事にありつけなかった。これが実態である。

   つまり若者からすれば現在の方が競争率が低いため就職事情が良く、企業からすれば人手不足あるいは必要な能力のある人がなかなか採用できない、ということになる。不満を漏らすとすれば、何か別の原因があるのだろう。

   今の高校生の世代は、一学年あたりの人口がさらに減って120万人前後となっている(人口統計のデータは総務省統計局のものを、求人に関するデータはリクルートの数字を使用)。このままいくと人手不足がさらに深刻になっていくことは目に見えている。実際、色んな職種で人手不足の声が聞こえてくる。それをタイムリーに改善するには移民の受け入れしかない、ということだ。


小田切 尚登

>>グローバル時代に生きる道・記事一覧

「移民受け入れ」、どう思う?
積極的に賛成
やむを得ないかも
あまり受け入れたくない
断固反対だ
よく分からない
小田切尚登
経済アナリスト。明治大学グローバル研究大学院兼任講師。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバ等の外資系金融機関で株式アナリスト、投資銀行部門などを歴任した。近著に『欧米沈没』(マイナビ新書)
今すぐ無料会員に登録して、コメントを書き込もう!
小田切尚登:欧米沈没 (マイナビ新書)
小田切尚登:欧米沈没 (マイナビ新書)
  • 発売元: マイナビ
  • 価格: ¥ 872
  • 発売日: 2012/03/23
お知らせ

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中