2020年 1月 22日 (水)

「中高年の働きが悪い」 でもリストラに着手できない

印刷
不動産価格上昇中!不動産の価値は?一括無料査定でチェック!

   内閣府の調査によると、2011年9月時点の「雇用保蔵者数」(社内失業者数)は465万人、全雇用者の8.5%にものぼるという。平均で12人に1人、解雇しにくい大手企業であればさらに高い割合で余剰人員を抱え込んでいる可能性がある。

   あるメーカーの経営者は、海外メーカーとの競争が激化し、事業の見通しは立たないが、かといってどのタイミングで「厳しいリストラ」を行うべきなのか判断できず、手をこまねいているという。

給与カット提案も「モチベーション下がる」

――中堅製造業の総務・人事担当役員です。不況と円高の影響により、当社は厳しい決算期を迎えています。来期も売り上げ回復の見込みが立たず、このままでは今期以上の赤字が予想されます。

   各分野で大幅なコストダウンを進めていますが、正直「もう限界」という感じです。外注費や出張費の削減で、仕事に支障が出ているのです。若手や中堅の社員たちからは、

「社内失業者たちをどうにかしてほしい」

という声も聞かれます。

   確かに40代から50代の社員の中には、給与に見合わない仕事をしているものも見られます。しかし彼らの仕事は全然ないわけではなく、それぞれ何らかの役割を担っているので、具体的に退職勧奨の候補がいるかというと難しいところです。

   ただ、いわば給料の0.75倍の働きをする中高年が多く、「4人分の仕事を3人でこなし1人辞めさせる」ことができればいいのですが、そんな都合のいいことができるのかどうか。

   現場マネジャーに「給料を一律25%カットするか」と相談すると、

「そんなことをしてモチベーションが下がったら、もっと働きが悪くなりますよ」
「ただでさえ給料の安い若手は辞めるでしょうね」
「組合が首を縦に振るとはとても思えません」

といった答えが返ってきました。

   製品分野によっては、韓国や中国メーカーとの競争が激化しているものもあり、このままでは立ち行かなくなる部門も出てくる気がします。そうなれば有無をいわせず事業ごと撤退、人員整理ができるわけですが、そうなる前に手を打つことはできないものなのでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
今すぐ無料会員に登録して、コメントを書き込もう!
お知らせ

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中