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コールセンターには、なぜ美女が多いのか

   コールセンターではオペレーターが対応に困るお客さまに当たった場合、手を挙げて社員を呼びヘルプを求めます。呼ばれて行くとクレームや支払い困難であるお客さまが多いので、基本的にあんまり積極的に行きたいとは思わないはずなのですが……。

「おい、H越さんが手を挙げてるぞ!!」
「俺が行く!」「いや、俺だ!!」

デビューしたての女優やモデルが副業で働いている

美女と一緒に働きたければコールセンターはオススメ?(イラスト:N本)
美女と一緒に働きたければコールセンターはオススメ?(イラスト:N本)

   一人のオペレーターさんが手を挙げたとたん、周囲の男性社員がざわめきました。そして我先にと走り出し、たまたま通路の真ん中に突っ立っていた私を突き飛ばして、勢いよく彼女の元に駆け寄ります。

「H越さん、どうしました!?」
「あ、このお客さま、すごく怒鳴ってて……」
「俺が電話代わります!!」「いや俺が!!」

   障害物のごとく弾き飛ばされた私は「イテテ…」と打った腰をさすりながら、その人だかりを眺めました。

   男性社員が駆け寄ったオペレーターのH越さんはものすごい美女、本業は女優さんで、テレビドラマや雑誌などにも登場しているような人なのです。

   コールセンターのお仕事は時給が高く、勤務時間も比較的自由に組むことができるため、デビューしたての女優やモデルさん、芸能活動をしている方が副業として働いていることも多いのです。

   いっそテレビ電話にできたらな~、こんな美人に督促されたら絶対回収率が上がるのに…。そんなことを思ってしまうくらいの美女が督促をしていたりします。

   そういうオペレーターさんは男性社員が超積極的にヘルプに行くので、今日のような取り合いが起こるんですが、でも、ちょっと、私は障害物じゃないんですけど!

たまには「電話の向こう」のことを考えてみて

   普段は電話越しで接しているため、お客さまには様子が分かりにくいコールセンターですが、実際に見てみるともうひとつ気がつくことがあります。それは身体に障害を持ったオペレーターさんの存在です。

   企業には障害者雇用促進法で、常時雇用する労働者の1.8%以上の障害者を雇用することを義務づけられていますが、コールセンターの業務は座り仕事なので、身体が不自由な方が多く配属されている部署でもあるのです。

   車いすのオペレーターさんも多く、コールセンターの入り口はそういった方々のためにバリアフリーになっています。座っている状態では一見分かりにくいのですが、杖をつきながら通勤しているオペレーターさんもよく見かけます。

   そういうオペレーターさんがお客さまに怒鳴られているところを見かけると、胸が痛みます。でも、彼ら、彼女たちはプロ意識を持って督促で成績を出し、完璧なクレーム対応をしています。

   私たちは電話でしかお客さまと接することができないので、なかなか電話の向こうの様子は分かりにくいかもしれませんが、たまには「電話の向こうはどうなっているんだろ」、そんなことをちょっとでも考えてみてもらえたら嬉しく思います。もしかしたら超美人、超イケメンが話をしているかもしれませんよ~。(N本=えぬもと)