2019年 11月 13日 (水)

社員同士で「残業時間の貸し借り」をしているらしい

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   残業代は会社にとってコストであり、従業員にとっても残業は長時間労働につながる厄介なものだ。「残業をできるだけなくそう」という動きもあるが、人員を切り詰めていることもあって、一人当たりの労働時間はなかなか減らない。

   ある会社では、残業代に上限を決めて運用していたが、それを超える部分について社員間で現金のやり取りを伴う「貸し借り」が勝手に行われていた。管理職は黙認をしていたことも分かり、人事担当者が頭を悩ませている。

「こうでもしないとサービス残業になっちゃう」

――システム会社の人事です。当社ではコストダウンとコンプライアンスの観点により、1年前から「残業時間の抑制」を重点的に進めています。

   一人あたりの時間外労働の上限を月45時間とし、それを超えないように徹底しています。達成率は、管理職の評価項目にも組み込んでいます。

   そんな中、社員間で「残業時間の貸し借り」をしているという噂が耳に入りました。そこで、開発部の2人を呼んで事情を聞いたところ、いずれもそのような事実があったと認めました。

   A君とB君は同じ開発担当ですが、それぞれ別のプロジェクトに携わっているので、繁忙期も微妙に異なります。A君が忙しくて残業時間が足りないときに、B君が比較的ヒマだったので「今月の残業時間、貸してくれないかな」と頼んだのがきっかけだそうです。

   「残業時間を貸す」とは、A君に計上できない残業時間をB君に計上し、その分の残業代をB君からA君へ現金で払い戻す、ということです。A君は、

「こうでもしないと、残業時間をつけてもらえないし、サービス残業になっちゃうからですよ。会社としては、それだけ多くの業務があるんだから、それくらいの融通を聞かせてもいいんじゃないですか?」

と言っています。逆に、B君が多忙でA君から借りることもありましたが、いまのところトラブルにはなっていないようです。

   開発部の部長も、この事態を知っていましたが、「達成率」を優先して黙認していたようです。本人たちは特に困ったことはないようですし、放置してよいものでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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