2024年 4月 19日 (金)

財テク社員の「自己破産」が発覚! 今後が不安なので解雇したい

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   法律によって借金の支払義務を免れる「自己破産」を裁判所に申請する人は、2007年には年間15万人にものぼり、現在でも10万人を超えるという。

   ある会社では社員の自己破産が明らかになった。仕事が「お金を扱う部署」だったことから、そのままの仕事に就かせることは難しいと部長から申し出があり、人事が頭を悩ませている。

経理部長「うちの部署には置いておけないよ」

――製造業の人事担当です。先日、30代の経理部員のA君が自己破産していたことが発覚しました。社内で噂が立っていたので呼び出して聞いてみたところ、しぶしぶ認めたというわけです。

   彼は以前から株やFXなどを盛んにやり、資産を増やしていることは耳にしていました。大きな儲けを出してクルマや時計などを新調したときは、社内の話題にもなりました。

   それが、昨年あたりから運用がうまく行かなくなり、損を取り返すために複数の消費者金融に借金をして泥沼化。一気に状況が厳しくなってしまったようです。経理部長は、

「自己破産した人間は、うちの部署には置いておけないよ。お金を扱う部署だからね。欲に目がくらんだら取り返しのつかないことになってしまう」

と人事部に申し立ててきます。

   以前から羽振りのよかったA君を快く思っていなかった同僚たちからは、

「社員が自己破産って、会社のイメージダウンじゃない?」
「カネのことばっかり考えて、仕事をおろそかにしてたんじゃないか」
「今後のことも不安だしね。懲戒解雇でも仕方ないでしょう」

などの声すらあがっています。しかし、就業規則の懲戒規定や解雇規定には明確に該当しそうな個所もなく…。こんなとき、どう対処したらいいのでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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