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コンビニが提唱するネット購入の新しいかたち「ホームコンビニエンス」

   「ホームコンビニエンス」という新しい消費スタイルが提唱されている。唱えているのは、コンビニエンスストアを全国展開するローソン。ホームコンビニエンスとは、「コンビニエンストアを家庭に」という意味で、コンビニならでの利便性をネットを使って家庭でも利用してもらおうというものだ。

   その第一弾として、ローソンはヤフーと合弁会社を作り、2013年1月から新サービス「スマートキッチン」を始めた。このスマートキッチンは、子育てをしながら働く「忙しいママ」をターゲットにした食材宅配サービス。スマートフォンを使ってネット注文すれば、必要な食材を自宅に届けてもらうことができる。

「ホームコンビニエンス」 ネットスーパーとの違いは?

「ホームコンビニエンス」を唱えるスマートキッチンのウェブサイト。スマートフォンからのアクセスを意識して、シンプルなデザインになっている
「ホームコンビニエンス」を唱えるスマートキッチンのウェブサイト。スマートフォンからのアクセスを意識して、シンプルなデザインになっている

   これだけだと、すでにあるネットスーパーと同じように見えるが、毎日時間に追われている働く女性のニーズを想定して、献立から注文、調理まで、すべて短時間で済ますことができるように工夫をこらしているのが特徴だ。

   キャッチフレーズは「5分で献立、5分で買い物、10分で本格手料理」。通勤時間帯や仕事の合間に、スマートフォンでサイトにアクセスすれば、「海老とブロッコリーの塩炒め」や「まろやか黒酢の酢豚」など具体的なメニューが表示されて、調理したいメニューを選べて、必要な食材がそのまま注文できるようになっている。

   「毎日の献立を何にするのかで悩んでいる女性は多く、なかには献立を考えるのに40分もかかるという声もありました。その時間を短縮させてあげようというのが、この企画の発想の元になっています」とスマートキッチンの広報を担当するセールス・マーケティング本部の樫山千尋さんは話す。

   さらに、スマートキッチンの目玉とされるのが「10分本格手料理キット」とよばれる食材のセット商品だ。すでに野菜などの食材がカットされ、下処理された状態でパックになっており、キッチンではそれをフライパンや鍋に入れて加熱し、調味料を加えれば、料理が出来上がってしまう。

   献立から調理までの時間をできるだけ短く済ませて、その分で浮いた時間を子供との対話に使ってもらおうというのが狙いだ。「消費者のそのときのニーズにあわせたオリジナル商品を開発するのはコンビニの得意とするところ」(ローソンの広報マネジャー・市川伸さん)とのことで、いまは中華料理中心の手料理キットのレパートリーを、今後は和食や洋食にも展開していく予定だという。

   このスマートキッチンは子育て中の働く女性を対象にしたものだが、ホームコンビニエンスというコンセプトはそれにとどまらない。市川さんは「第2弾はまだ発表できる段階ではありませんが、いくつかのプロジェクトが走っています。たとえば、コンビニの近くに住む高齢者に必要な商品を店舗から届けるという方式も考えられますね」と話している。