2019年 5月 24日 (金)

「社長の本心」は社員にこんなに見抜かれている 「愛ある叱責」と「道具視の罵倒」の違い

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   私はコンサルティング依頼を受けて着手する際にいただいた改善テーマの根っこを探る意味で、たいていの場合、事前の社員アンケートや個別やグループヒアリングをおこないます。本音を聞き出すべく、匿名もしくは個別記載情報の依頼者への非開示を条件に実施するのですが、社員が実は社長の真実をよく見ていて感心させられることが多いです。

   A社社長は自ら起業し、会社を約10年で100人規模にまで成長させた創業オーナーです。会社をゼロからここまで大きくしたのですから、その牽引力たるや素晴らしいものがあり、言いかえれば人一倍のワンマンなればこそなし得たものでもあるのです。

口は悪いが「一生懸命働いている皆にはいつも感謝している」

「怒ってる」にもいろいろあります
「怒ってる」にもいろいろあります

   とにかく人の話はほとんど聞かない、誰が相手だろうが自分のペースのマシンガントークでまくしたてるのが彼のスタイル。社員に対する叱責も厳しく、歯に衣を着せることなく思うがままに言い放つので、それを見るたび、これで社員がついて行くのだろうか、離職率が高くなりはしないのかと不安にもさせられたものです。

   ある時に社内活性化策策定の一環で、全社員への匿名、記載内容非開示のアンケート調査をしました。アンケートでは経営に対する評価、意見も求めたのですが、驚いたことに社長に対する不平不満は皆無だったのです。本当にそうなのか、例え記載情報非開示でも、社長を怖がって書きたいことを書かないのじゃないか、真意を確かめるべく実施した個別ヒアリングで社員の口をついて出てきたのは、「社長は常に社員の今や将来を気に掛けてくれていてうれしい」「なるべく長く社長の元で働きたい」という意見の数々だったのです。

   社長にヒアリングの中でそういった意見が多く驚いたと話をすると、彼は表情変えずに、「現場を回った際に、なるべく一人ひとりと話をするようにしているからね。僕は口は悪いし言いたいことはハッキリ言うけど、うちの会社で一生懸命働いている皆にはいつも感謝している。どんなことがあっても、彼らを路頭に迷わせるようなことだけはあっちゃいけない。それが経営者として一番のプレッシャーだ」と語ってくれました。なるほど経営者として素晴らしい心構えであり、思いは社員にはちゃんと伝わるものだと感心しました。

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大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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