2019年 8月 20日 (火)

デフレもブラック企業もなくならない その時、個人がとるべき処方箋とは

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   ひょっとすると「安倍政権がデフレを終わらせ、経済を安定成長させてくれる」と期待している人は今でも多いのかもしれない。あるいは、単独で法案提出可能な議席数を確保した共産党が「ブラック企業を規制してくれる」と期待している人も少なくないのかもしれない。

   でも、残念ながら政府が解雇規制の緩和等の雇用の流動化を見送った今、日本はこれからもデフレ脱却しないし、ブラック企業もなくなるどころかますます繁栄するだろうというのが筆者の見方だ。

賃金低下あるいは横ばい→デフレという傾向は続くことだろう


   日本人の賃金は過去20年近くほぼ一貫して下がり続けている。理由は終身雇用という看板を守るため、労使が賃金より雇用死守を優先したからだ。「ウソだ」と言う人は、会社の労使交渉のやり取りを見てみるといい。きっと65歳まで雇用義務が延長された分をまかなうため、今ごろは2、30代の昇給を必死に削っている真っ最中だろう。65歳まで年金がお預けになったオジサンたちや、社内失業者の面倒を見るため、みなでカンパしあっていると考えるといい。それをやめないのだから、これからも失業率はそんなに高くもならないけれども、賃金は低下あるいは横ばい→デフレという傾向は続くことだろう。

   ブラック企業についても、以前から度々指摘しているように、その根っこは終身雇用そのものにある。これはいくら法律で規制しようとしても無理な話で、処方箋としては"終身雇用"という非現実的な規制をやめ、大手から中小企業まで守れるような無理のない法律を作るしかないのだが、それもやらないと言っているわけだから、ブラック企業もなくならない。むしろ現実には終身雇用はさらに現実とかい離して形骸化するだろうから、ますます企業のブラック化も進むだろう。

   ただし、社会全体としては無理でも、個人で状況を変える処方箋はある。それは各人で努力してキャリアアップすることだ。

   社内失業者をいっぱい抱えたまま社員同士カンパさせあうような会社はとっとと見限って、出来る人間に成果をきっちり還元してくれる実力主義型の組織に移ればいい。残業、転勤なんでもありの全体主義的会社は見捨てて、裁量付きでセルフマネジメント可能な会社に転職すればいい。

   そうすれば、自分は十分な賃金を手にしつつ、他社の従業員たちが爪に明かりをともすようにして提供してくれる安価なモノやサービスを手軽に利用できる。しかも、社内失業者はそうした企業の社員同士がカンパで支え合ってくれるのだから、失業給付を税金で負担してやる必要もない。断言するが、デフレの重力を脱した人間にとって、今ほど素晴らしいデフレ天国はない。

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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