2024年 4月 24日 (水)

「待遇」努力しているのに「ブラック企業」とネットで批判 社員にSNS書き込み禁じていいか

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   A社はブラック企業――ネットを見ていると、こんな書き込みを最近よく目にするな…ってA社って我が社のことじゃないか。何で我が社がブラック企業なんだ。待遇面にも福利厚生にも気を使って改善してきているのに……。

   こんな不満を持つある社の幹部は、社長からも「何とか対策を」と尻を叩かれている。さてどうしたものか。まずは社員にSNSへの会社に関する書き込みを禁じることにしたというが、果たして――

社員が増えるにつれ、「給料が安い」「残業が多すぎる」と不満が

   福祉業界の人事部長です。お陰様で今年創業20年を迎えました。社員も100人を超えて事業も順調に拡大し、新卒の学生からの応募もあるようになってきました。

   しかし、最近、社内の雰囲気が少し悪くなってきたように感じています。以前は、全員が「会社は小さくても、困っている人の役に立ちたい」と、同じ方向を向いて頑張っていました。ところが、社員が増えるにつれて、会社への要望や社員の権利について、過度とも思える主張を耳にすることが多くなってきました。

   会社としては出来るだけ待遇面を改善し、福利厚生を良くしてきたつもりですが、

「給料が安い」
「残業が多すぎる」
「休みを取れるようにして欲しい」
「ノルマがきつすぎる」

と沢山の不満の声が聞かれるようになりました。

   そして、ついに先日、某掲示板で「ブラック企業のスレッド」の中に当社の名前が書き込まれていることがわかったのです。

   社長も、「顧客とのやりとりの中でこの(書き込みの)話題が出た」と頭をいためています。

   当社では真摯に経営してきたつもりですが、一部社員の不満はあることでしょう。しかし、それはどんな会社でもある通常の範囲内のものだと確信しています。

   社長は、「何とかブラック企業と言われないように対策を打て」といいますが、何をしていいかわかりません。

   まずは、社員にインターネット掲示板やSNSに会社のことを書き込まないように通達をすることにしましたが、それで効果があるかは分かりません。他に対策はあるものでしょうか。

「ブラック企業批判」対策に、「社員のSNS書き込み禁止」は有効?
有効
無効
無効どころか逆効果
分からない
その他
尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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