2020年 7月 4日 (土)

なぜブラック企業なのに辞めないのか?(下) 「お前なんて転職無理」の洗脳はびこる

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   ハードワークで低賃金、日々プレッシャーに晒される…など、労働環境が劣悪な「ブラック企業」の中にいる人たちは、なぜそんなひどい環境に身を置きながら辞めないのか?

   前回記事では、「世間からはブラックと揶揄されるが、本人にとってはやりがいを感じている」パターンについて、私自身の経験も踏まえながら考察した。しかし、これはまだ恵まれた部類であろう。世の中には、「本人にとっても何らメリットもない、違法状態が温存された劣悪な環境で働いている人たち」は多数存在している。では彼らはなぜ、そんなブラック企業を辞めないのだろうか?

「嫌だと思ったら辞めればいいのでは?辞めるの自由よん」

「転職する力ない」は本当か?
「転職する力ない」は本当か?

   少し前の話だが、ホリエモン氏もツイッターで同様の疑問に対し「嫌だと思ったら辞めればいいのでは?辞めるの自由よん」と回答した。これには賛否両論あったようだが、私としても氏の意見は至極真っ当だと感じている。

   イヤなら辞めればいい。いくら確信犯的なブラック企業といえども、社員がいなければ営業していけないから。「サッサと辞めて、ひどい会社だったと口コミで広げ、人も取引先も寄り付かなくなる」というのが、ブラック企業の息の根を止めるために大いに有効である。

   しかし不思議なことに「ブラック企業なのに頑張って働いてしまう社員」がいるから、かの企業は生き長らえているのである。

   彼らが辞めない理由については、私自身もいろんなブラック企業の社員と面談してきた経験を踏まえ、大きく3つ+根底に1つの理由が挙げられると考えている。それぞれ詳しくみていこう。まず、大きい3つからだ。

(1)ほかに行き所がない
(2)責任感が強い
(3)プライドや承認欲求を満たしている

   まず、

●(1)ほかに行き所がない

   これは更に、「本当にスキル不足・経験不足で、辞めたら再就職の道がない」場合と、「探せばいろいろあるのだが、本人が勝手に行き所がないと思い込んでいる」場合に分かれる。

   前者については、仮に本人に働く意欲がないのであればそもそも問題外だ。資本主義経済社会で生きていくのは難しいだろう。

   しかしスキルが多少足りなくとも、働く意欲さえあればなんとかなる。「もう後がないので、死ぬ気で働きます!」と宣言できれば、その意欲を評価し、期待する会社は必ず見つかる。

   後者については、本人のアンテナ(情報への感度)が鈍かったり、交流しているネットワークが狭かったり…といった理由で、「自分の置かれた環境がいかにアブノーマルなのか」「自分の市場価値はいかほどか」という情報が客観的につかめていない状態であることが考えられる。社外の人たちとも幅広くコミュニケーションをとる中で、自らの価値を認識して、自信をもって外の世界に飛び出してほしいものである。

   本当に悪質な会社の中には、辞められることへの対抗策として「お前のような人間、今辞めても再就職先が見つかるはずない!」「中途半端な辞め方をしたという噂が業界で流れて、ブラックリストに載るぞ!」などといったメッセージを植え付けて洗脳を施すケースがあるので、注意が必要だ。もちろん心配はいらない。先述のとおり、働く意欲と覚悟があればやり直しは効くのだ。

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