2019年 11月 19日 (火)

ブラック企業問題、ズバリ厚労省に聞く(上) 「労基法の遵守」はどうなっているの?

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   昨(2013)年は、厚生労働省が重点的に監督指導を強化したことや、参議院選挙において論点の一つになったことなどから、これまでネットスラングだった「ブラック企業」が急激な速度で広く認知されるようになった。先日などは子供向けの特撮ヒーロー番組で、敵方の幹部が自分たちの組織を「ウチはブラック企業だから…」と自嘲しているのを見聞きするに至り、ここまで浸透しているのかと複雑な思いを抱いた次第だ。

   昨今、多くの論者が「ブラック企業」について自説を展開しており、併せて労働問題への関心は着実に広く高まっているのは喜ばしいことだ。

   しかし一方で、各論者にとって「ブラック企業」の定義がさまざまであるため、論者間にしても論者-読者間にしても、論点がかみ合わない展開になることが多い。

そもそも「ブラック企業」って何?

   ある人は「労働基準法違反は問答無用で悪だ!」といい、「いや、そんなことを言ったら日本のほぼすべての会社がブラックになってしまう」といった反論があるかと思えば、「ブラックな環境でも、社員が鍛えられて成長できるならいいではないか」…など個々人の情緒も絡み合い、「Aとも言えるがBとも言える」的な話になってしまう。結果的に情報の受け手にとって「なんだかよく分からない…」という印象になってしまっているのがもったいない。

   「ブラック企業」という言葉は、「悪いことをしてる会社」というイメージが伝えられる点で便利だが、一方で「本当の問題の所在があいまいになる言葉」でもある。これは「若者の使い捨て」とか「やりがい搾取」みたいな「もっともらしいけど、具体的にはよくわからない言葉」も同様だ。

   問題は、個別の違法行為にある。「36協定違反」とか「残業代不払い」、「不当解雇」、「賃金未払い」、そして「採用広告虚偽記載」…といった形で具体的に採り上げ、解決のために対処していかねばならないのだ。

   「ブラック企業」という言葉を今のように使っている限り、ブラック企業問題は解決しない。単に「ブラック」と認識されている企業を批判し、溜飲を下げているだけのことが多いからだ。それでは単なる私刑(リンチ)である(「暴行」や「恐喝」を「いじめ」と表現することで問題への対応が後手にまわる、といった構図に近いかもしれない)。

   定義や問題解決へのアプローチは様々あれど、最終的にはブラックな労働環境は撲滅させ、皆が働きやすい国にしたいというゴールは同じであるはずだ。であるならば、識者同士で定義を議論し合うことに不毛なエネルギーを割くより、監督官庁と協働しながら、何かしら具体的なアクションを起こしていくほうが建設的だろう。

   表層的な批判が広がりすぎるのは、大多数の人にとって得にならない。単に「ブラック企業というキーワードに過敏な拒否反応を示す人」を増やしてしまうだけで、全体として問題解決につながらないからだ。

   ここはぜひ「なぜ、そんな違法野放し状態が生まれてしまうのか?」「なぜ法律で取り締まれないのか?」といった素朴な疑問を持ち、真の問題解決に繋がる行動をとっていきたいところである。

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