2019年 12月 5日 (木)

御社の「意識改革」が浸透しないワケ トップの意向を「通訳」する極意

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   個人的な大先輩Fさんの勇退を記念したパーティにご招待いただき、貴重なお話をうかがうことができました。

   Fさんは都市銀行で部長職を最後に外部へ出向。有名飲食チェーンM社の役員としてカリスマ社長T氏の参謀役を長年務め、近年はその経験を活かしコンサルティング企業の顧問として個別企業へのアドバイザリーをされておられました。

毎朝始業前に唱和させよ

パーティで貴重な話を…
パーティで貴重な話を…

   Fさんの冒頭あいさつ、「長く続けてこられたのは、M社のおかげ。超ワンマンで言いたい放題のT社長と社員の間に入って、『トップの通訳』として具体策に落とし込んでいく仕事で鍛えていただきました」との話が気になり、直接詳細を聞いてみることにしました。

   「『トップの通訳』として具体策に落とし込んでいく仕事」のきっかけとなったのは、M社への来店客から「電話応対が悪い」「子供連れを迷惑そうに扱う」「何か頼むと店員が嫌そうにする」などというクレームが相次いだことでした。社長の耳に入ると、社長は全店長に「お客さま第一」への意識改革をしろと大号令を掛けたのです。社長が出した指示は、M社の経営理念にある「お客さま第一」の項目「当社は日々、お客さま第一の姿勢でゲストをお迎えします」を毎朝始業前に唱和させ全社員のアタマに徹底的に叩きこめ、というものでした。

   この時Fさんは、次のように思ったそうです。店長たちは、社長の言っていることは分かっている、しかしその効果には疑問を持っている。果たして社員が毎朝「お客さま第一」を唱和することで改善がはかれるのか、社員の入れ替わりも激しくアルバイトも多い飲食業では、一時的な効果はあってもまたも元に戻ってしまうのではないか。どの顔もそんな疑問を浮かべ社長の指示を受けている、これではうまくいかない、と。Fさんは銀行時代にも同じような経験があったので、このままでは号令倒れになると思ったのです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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