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キラキラ女子社員の台頭で、スイーツ女子はどこへ消えた?

   数年前、「スイーツ(笑)」という言葉が流行ったのを覚えているでしょうか。「(笑)」までがワンセットで、分かりやすい流行に踊らされる若い女子を揶揄するネットスラングです。何かと叩かれながらも、注目を集めた「スイーツ女子」。最近は耳にしなくなったな~と思っていましたが、彼女たちの一部は、企業で活躍する「キラキラ女子社員」になっていたのです。

   「スイーツ女子」が話題になったのは、2007~11年頃。当時はエビちゃんブームをきっかけに、男性目線のモテファッションが大流行していました。ツインニットに膝丈スカート、プチネックレス。ナチュラルだけど、実はばっちりモテメイク。そんな彼女たちを「どうせ頭の中は空っぽなんだろ」と、ねたみ半分で批判する男女も結構いました(私もその一員です)。

エビちゃんブームでスイーツ女子が大量発生

キラキラと仕事を…
キラキラと仕事を…

   スイーツ女子は数年にわたり、女子カルチャーの「主」を独占。ところがしばらくすると、対抗馬として「サブカル女子」「モテない系女子」などが登場してきます。モテばかり追求するなんて、ちょっと格好悪いんじゃない?というムードが高まってきたのです。08年にはリーマン・ショックが起き、女子も就職難に直面。そこで、その後じわじわ台頭してきたのが、ベンチャーで活躍する「キラキラ女子」です。

   2010年、サイバーエージェントの内定式が「リア充すぎる」と話題になりました。茶髪にリクルートスーツで内定を祝う男女の写真が、ブログのURLとともに拡散。ネットでは、内定者の女子に対し、「スイーツwww」などと指摘する書き込みも見受けられました。

   ところが、入社後の彼女たちの多くは、「スイーツ」の響きからは想像もつかぬほど「仕事志向」でした。3年前、サイバーエージェントで働く女子(当時24)と会ったのですが、「ワークライフバランスとか、家庭を優先したいとか考えてる子は、うちの会社には合わない」とキッパリ。美人でおしゃれな彼女の外見は、ハッキリ言って、かつての「スイーツ」そのものです。が、即戦力になることが求められ、同期とは常に競争。「大変だけど、その分やりがいもある」と目を輝かせていたのが印象的でした。

今や「モテたいならキラキラ仕事しろ!」の時代?

   ここ1~2年、「スイーツ(笑)」が死語になる一方、仕事にもおしゃれにも全力投球な「キラキラ女子」に注目が集まっています。サイバーエージェントのキラキラ女子社員は、日経新聞が「女性活用のモデル」と特集記事(2013年2月)を組むほど。

   「キラキラ」という呼び方には、「キラキラネーム=DQNネーム」に象徴されるような、からかいのニュアンスもあります。キラキラ女子は、かつてのスイーツ(笑)と同じような扱いを受けることも多いようです。少し前には、「キラキラ20時退社」が理想という女子大生が、「仕事の厳しさを分かってない」と批判されたりもしていましたっけ。

   とはいえ、一部のキラキラ女子は、スイーツとは全く異なる価値観をもっています。モテを追求するばかりではなく、仕事での自己実現にも貪欲。もとより流行モノが好きなキラキラ女子は、鋭いセンサーで新たなビジネスチャンスを掴むのも得意です。今や「モテたいならキラキラ仕事しろ!」の時代なのかもしれません。

   かつてのスイーツ女子たちは、どこへ消えたのでしょうか?(北条かや)