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新人・若手に「1番キビシイ視線」は誰だ 調査で判明、「●●歳代の女性」だった

   4月から社会人の仲間入りをした「新人」も、そろそろ職場環境や業務に慣れてきただろう。社会に飛び込む時点では不安もあったはずだが、実は「迎える側」である先輩たちも不安を抱えていることが、調査から浮き彫りとなった。

   既に新人時代を過ぎた「若手」にも、辛い評価が下された。先輩たちの「今の若いヤツラは…」という小言が聞こえてきそうだが、どんな不満があるのか。

新入社員に対して不安を感じているのは約半数

あの娘ったら……
あの娘ったら……

   飲料メーカーのダイドードリンコがインターネット上で運営する「ダイドー働く大人力向上委員会」は、20~50代の社会人の男女1000人を対象に「職場コミュニケーションに関する意識調査」を実施し、2014年5月13日付で結果を発表した。

   新入社員に対して不安を感じているのは46.7%と、約半数に上った。「何を考えているか分からなさそう」「うまくコミュニケーションがとれなさそう」という理由が多くを占めた。

   年齢、性別で分類すると、最も不安視しているのは30代女性だ。「とても不安」「どちらかといえば不安」を合わせて64.4%に達した。次いで40代女性が53.2%となる。20代女性も48.7%で、どの年代も男性と比べて高い割合となった。ある程度キャリアを積んだ女性は、新人を「大丈夫だろうか」という目で見ているケースが少なくないようだ。

   ウェブマガジン「ウーマンタイプ」2013年6月7日付の記事は、この調査結果に関連する興味深い指摘をしている。職場の先輩女性が新入社員とコミュニケーションを図ると「自分が新人時代はこうではなかった」とついイライラ――。そこには、心理的な原因があるというのだ。記事中、心理カウンセラーのみずがきひろみ氏が解説している。

   例えば、中堅層の女性は職場の上司から「何でもできて当たり前」と位置付けられ、なかなかほめてもらえない。逆に新人は「何もできない」が前提なので、ちょっとしたことでほめられる。知らず知らずのうちに中堅女性は「自分は見てもらえない」との不満、不安をため込んでいるのではないか、というのだ。うっ積した思いは新人に向けられて、「つい厳しい目で見てしまう」。

   また日本では「言わなくても分かる」が良い関係とされ、先輩も新人にこういった意識で臨むが、社会経験の浅い相手とそのような意思疎通は難しい。それにもかかわらず、「当たり前のことが分からない」とがっかりするのだ。

先輩の不満は「自分の指導力不足じゃないの?」

   先述の調査では、先輩の若手社員に対する不満の度合いも大きいことが分かった。6割以上が「不満を持っている」と答え、理由として多かったのは「指示するまで動かない」「他人の話を聞かない・理解しない」「何を考えているか分からない」「反応が薄い」といったものだった。

   こうした不満について、ネット掲示板やツイッターでは批判がある。不満の理由として挙げられた項目について「これ全部、『先輩社員の指導力不足』で説明できるのでは」という皮肉や、「使う側の問題の方が大きそうな気がする」という指摘、「指示も聞かずに勝手に動く方がまずいでしょ」といった具合だ。「指示待ち」という不満については、手が空いている状態なら待っていないで自分から先輩や上司に「次に何をしたらよいか」を聞きにくるべきという考えなのかもしれないとの推測も出た。

   先輩社員は、新人や若手に「受け身」でなく率先して仕事に取り組む姿勢を求めているのかもしれない。何度教えても同じミスを繰り返す、という嘆きもネット上では聞かれる。だが半面、先輩社員は自身が若手に接する態度にも問題がないか、振り返る必要があるだろう。何年もキャリアを積んだ自分と同じように、新人が業務を遂行できるはずはない。「あうんの呼吸」「言わなくても分かる」が誰にでも通じるというのも間違いだ。若手の立場を理解し、その経験に合わせたコミュニケーションを心掛けてはどうだろうか。