2019年 5月 25日 (土)

ITで企業を結び、ひとつの仮想工場に 「マスコミ掲載の確率」高めるキーワードとは

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   メディアに取り上げてもらうには「社会的に影響がある」か「よそにない特徴があるか」がキーワードになる。

   この連載の第1回目で紹介した中小製造業のケースでは、「嫌いな取引先は断る」という社会的な影響・話題があり、一方で「バネの規格化と即日出荷」という特徴を打ち出した。キーワードを両方そろえた結果、メディアが次々に取り上げてくれた。今回は、これと同様のケースを紹介したい。

微粒子が均一に並ぶ新物性塗料を、安価で提供

   n-tech(エヌテック、東京都千代田区)は、一般的にはほぼ無名の企業。ところが、いま塗料業界に大きな話題を提供している。独立行政法人産業技術総合研究所と共同で2013年3月に、不整形シリカ(二酸化ケイ素)を使った全く新しいタイプの遮熱塗料を開発したからだ。従来の遮熱塗料は、粉体をペレット状態にしたときに、内部に空間を持つ中空ビーズや真空ビーズを使っていた。ところが、n-techの遮熱塗料は、それより安価な粒子径1000分の1ミリ1000分の4ミリの不整形シリカを用いたうえ、混合物とは異なる性質の高分子化合物を生成することに成功した。つまり、微粒子が均一に並ぶ新しい物性の塗料を、安価で提供できるようになった。このため、わずか0.2ミリの塗膜厚で遮熱効果が得られる。

   この塗料の凄さは、それだけではない。新たな物性を応用して、電気抵抗を制御した電磁波シールド塗料を開発し、この塗膜の上下を電気絶縁塗膜層で保護する3層構造とすることで融雪塗料を生み出し、屋根に塗れば建物の中のスイッチひとつで簡単に雪下ろしができるようにした。屋根の融雪はこれまで、温水パイプやニクロム線シートの敷設が一般的で、融雪塗料によって大幅に低コスト化した融雪が可能となり、雪下ろし事故の軽減につながると期待されている。この融雪塗料は、日刊工業新聞が2013年7月5日付1面に掲載し、話題を集めた。n-techの遮熱塗料は消臭、抗菌、花粉対策、防汚対策などの多機能性を持たせることも容易で、従来の塗料では難しかったさまざまな用途が開発されそうだ。

管野 吉信(かんの・よしのぶ)
1959年生まれ。日刊工業新聞社に記者、編集局デスク・部長として25年間勤務。経済産業省の中小企業政策審議会臨時委員などを務める。東証マザーズ上場のジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)の広報室長を経て、2012年に「中堅・中小企業の隠れたニュースを世に出す」を理念に、株式会社広報ブレーンを設立。
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