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上司が思わず「査定に手心」 部下の「こんな一言」が評価を上げる

   目標を達成したのに、まさかのB評価――。

   そんな時は、人事考課結果伝達の場で、ハッキリ異を唱えたほうがいいと、人事コンサルタントで作家の城繁幸氏は言う。

   といっても、「納得いきません」なんて感情剥き出しに怒りをぶつけるのはご法度だ。

「では、どうすればA評価になれるのでしょうか?」

だとか

「どのように行動を改善すれば、より組織に貢献できるでしょうか?」

といった物言いで、上司にアドバイスを請うのが王道だ。

「どうすれば達成できそうか、御相談に乗って頂けませんか?」

ちょっとご相談が…
ちょっとご相談が…

   大手ソフトウェア会社の営業課長A氏によると、より上級者になると「査定期間中に、『私は今期の目標は未達なのですが、どうすれば達成できそうか、御相談に乗って頂けませんか?』と聞いてくる」と言う。

「こういう部下は、目標の達成意欲が高い、ロイヤリティが高いと感じ、どうしても憎からず思えてしまいます」(A氏)

   そして、査定する時、つい「あれだけ仕事熱心な彼は、トップ営業マンの次点くらいの査定はあげたいな…と思ってしまう」と白状する。

   人事評価は人がするもの。

   一次評価者、二次評価者を分ける。同じ予算を共有する隣の部署との「評価会議」で決定する。360度評価を導入する、などの工夫で公平性を担保しているが、それでも人が人を判断する以上、主観が入る側面は否めない。

上司の「言質を取る」意味でも有効

   先のA氏も

「お気に入りの部下には、最初から高い基礎点を与え、そうではない部下には低い基礎点を与える。あるいは、最初から部下の順位を『田中君、佐藤君、伊藤君、山田君の順だな』といった具合に、あらかじめ心の中で決めてしまうことはある」

と、「主観が入る」ことを認める。

   よって、日頃から上司である自分とのコミュニケーションが密で、「相談に乗って貰えませんか?」だとか、「どうすればA評価が取れますか?」なんて聞いてくる部下の査定に手心を加えてしまうことは大いにあるのだ。

   さらに、「どうやったらA評価が取れますか?」作戦は、上司の「言質を取る」意味でも有効だ。

「そこで、上司が何かしらのアドバイスをして、部下がその通りにやったとする。それでもA評価が取れなかったら、『僕、言われた通りにやりましたよね?』と、言うことができます。上司からしたら、そう言われてしまったら、何も言い返すことができません」

   仕事への熱意をアピールすると同時に、上司の言質を取ることで、絶対に評価を下げさせない――。二重の効果があるのだ。(佐藤留美)