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「正社員女子とは一緒に食べない」は今でも? 現代ハケン女子のランチ事情

   関東地方でも梅雨が明け、暑さが本格化しています。「暑いし、日差しも強くて、ランチに外へ出るのも大変!」といった声もよく耳にします。ランチといえば、ネットのQ&Aサイトに寄せられた、「派遣社員は社員食堂使用不可、と言われた」といった内容の投稿が話題になったこともありました。

   そういえば、人気ドラマ「ハケンの品格」(日本テレビ系、2007年放送)でも、「派遣女子のランチ事情」がリアルに描かれ、共感を呼びました。派遣同士の「派閥」や、正社員と派遣社員はなぜ一緒にランチをとらないのか?など、今見ても興味深いトピックがいくつもあります。

「派遣社員の前では話せないこともある」の声も

今日のランチ、どうする?
今日のランチ、どうする?

   厚生労働省の「働く女性の実情」(2012年版、資料出所は総務省「労働力調査」)によると、今や女性の55%近くが非正規雇用(男性は20%弱)。立場の異なる多くの女性が、派遣やパートとして働く中、どこの会社でも少なからず、価値観の違いや人間関係のトラブルはあるようです。

   「ハケンの品格」では第3話で、加藤あいさん演じる新人派遣社員の美雪が、「誰とランチを食べるか」悩む様子が描かれます。美雪は、篠原涼子さん演じる「スーパー派遣社員」春子とは異なり、他人への依存心が強いタイプ。同じ部署の正社員女子に声をかけてみますが、あっさり断られてしまいます。

   正社員女子はなぜ、派遣社員とランチを食べないのか。筆者が知人たちに聞いてみると、「うちでは、派遣と正社員の業務がほぼ同じ部署もある。みんな、『誰が派遣か』なんて気にしないし、ランチも一緒に食べるよ」という女子もいる一方、「既婚者の派遣さんとは話が合わない」とか、「派遣社員の前では話せないこともある」と言う人もいました。ドラマ放送から7年が経っていますが、同じような状況は今でもあるようです。

   確かに、新卒で入った女子と、様々なルートで入社してくる派遣女子とでは、話が合わないこともあるかもしれません。ランチは正社員同士、派遣社員同士で集まって食べる、という職場も結構あるそうです。

「丸ビルで2000円」ランチ派は実在する?

   ドラマでは、1人が不安な美雪に対し、合コン好きの派遣女子集団=「おしゃれ派閥」が「私たちの仲間に入れてあげる」と声をかけます。彼女たちのランチは「丸ビルで2000円」など、かなり豪華です。

   「こんな人たち、ホントにいるのか?」と思い、大企業で働く知人に聞いてみると、一部にはこうした「優雅な」派遣女子もいるとか。都内の実家暮らしで、婚活のために大企業の派遣社員として働く女子も珍しくないようです。彼女たちのようなタイプは、退屈な仕事に飽き飽きして、「ランチくらい贅沢しないとやっていられない」のかもしれません。

   一口に派遣社員といっても、ランチ事情は千差万別。働く思惑も様々です。ただ、最近では「おひとりさま」という言葉が定着し、1人ランチを怖がる女子はずいぶん減ったようです。女性が1人で入りやすいお店も増えてきました。コンビニ弁当にもずいぶんと女性向けのヘルシーなものが増え、バラエティ豊かになりました。

   一方、正社員も派遣も関係なく、節約などのために「お弁当持参派」が目立つようにもなっています。福利厚生の充実と自社PRも兼ねて、オープンな社員食堂を設ける企業も増えていますね。現代の働く女子のランチ事情は、「おひとりさま派」「弁当派」「みんなで外食派」など多様化し、それぞれが干渉し合わずに共存しているようです。(北条かや)